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トランプ大統領の思惑は 対ロ追加制裁見送りで物議

国際

 中間選挙まで2週間。トランプ大統領がロシアへの追加制裁を見送り、物議を醸しています。一体どんな思惑があるのでしょうか。

■対ロ追加制裁見送り 物議

 トランプ大統領は日本時間の19日朝早く、SNSで自らの決定を正当化しました。

トランプ大統領
「ロシアに関する私の決断はシンプルだ。現在、ロシアとウクライナの戦争における和平交渉を進めており、愚かにもロシアを交渉の席から遠ざけるようなことはしたくないからだ」

 ロシアに関する決断とは、対ロシア制裁法に関すること。18日に導入されるはずでしたが、その直前の16日にトランプ大統領が実施の見送りを決めたのです。

 その背景にあるのは、「和平」ではなく「軽油」だとみられています。

農家 ジェームス・チンチオロさん
「私たちの作業工程は、すべて軽油によって動いている」

 カリフォルニア州でクルミやサクランボを生産する農家です。農業用機械を動かすのも、農作物を運ぶのにも軽油を使っています。

ジェームス・チンチオロさん
「私たちは軽油に依存しているんだ。だから、軽油の高騰は大変な負担なんだよ」

 アメリカの軽油価格は、去年の今頃と比べると1.7倍ほどに上昇しています。特に価格が跳ね上がったのは、イランへの攻撃が始まってからです。

 そしてトランプ大統領が見送ったロシアへの制裁は、ロシア産の原油や天然ガスを買う上位5カ国に対して100%の関税を課すというものでした。

 さらにトランプ大統領は今月9日、ロシアから軽油を輸入するとも表明しています。

トランプ大統領
「ビッグディールだ。莫大(ばくだい)な量の石油が入ってくる。プーチン大統領には感謝したい。我々が欲しがっている軽油だ」

 中間選挙を前に軽油価格の引き下げに躍起なのです。ただ、制裁見送りには身内の共和党からも批判が出ています。

共和党 ジェリー・モーラン上院議員
「同盟国との信頼関係を損ない、敵対国を勢いづかせるようなことをしてはならない」

共和党 ドン・ベーコン下院議員
「ウクライナの民間人を標的にして殺害し続ける独裁者に、さらに資金を与えることで報いるべきではない」

 こうした批判を受けてか、トランプ大統領は制裁見送りは「和平のため」だと主張。返す刀でウクライナのゼレンスキー大統領を批判しています。

トランプ大統領
「ゼレンスキーはロシアの軽油製油所を標的にして、アメリカを含む世界の軽油市場に大打撃を与えている。戦争を終わらせる気がない」

 そもそも戦争を始めたのはプーチン大統領。そのことを忘れたのか、記者から問われると…。

トランプ大統領
「私は詳細を知っている。そのうち詳細を公表する」

 ロシアが攻め込んで戦争が始まったことを認めたくないようです。