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「世界一幸せな動物」に異変 秋遠し…最終日も季節外れの暑さ

社会

 3連休最終日の15日、各地で気温が上がり、季節外れの猛暑日となるところも。長引く夏に観光客の行動にも変化が起きていました。

■秋の気配も…終わらない猛暑

 北の大地から秋の足音が聞こえてきました。

 2000メートル級の山々が連なる北海道・大雪山系。3連休最終日の「敬老の日」、多くの登山客でにぎわう山は、徐々に秋色に染まります。

 ただ、本州は…夏の終わりがまだ見えません。

 名古屋では、実に51日目となる猛暑日に。観測史上最多の猛暑日となるなど、近畿や東海地方を中心に厳しい残暑が続きます。

観光客
「暑いです。汗が止まらないです」

 5日ぶりに猛暑日が復活した古都・京都。ひょうたんがメインのはずの土産物店も、猛暑に乗っかります。

瓢箪屋 大井秀民店主
「海外の人がこんなの(小型扇風機)がないねんて。かなりの数が売れている。一日に15~20は確実に売っている。他のあんまり売れへんのやけど」

 長引く夏。各地で異変が起きています。

 愛知県日進市にあるプール。9月中旬でも続く暑さ。今年から9月まで営業を延長しました。

プール客
「長い間入れて楽しい」
「最近暑いので大変ありがたい」

■“ひんやり地下空間”大盛況

 観光地にも異変が起きていました。

 気温こそ一段落したものの、蒸し暑くなった宇都宮市内。同じ宇都宮市内でも、気温が半分ほどのスポットがありました。

 気温14℃と、冬の始まりを思わせる寒さとなったここは、宇都宮にある「大谷資料館」。軽くて柔らかい大谷石は帝国ホテルにも使われるなど、大正から昭和にかけて宇都宮を支えてきた採石場跡です。

 地下2万平方メートルに及ぶ神秘的な地下空間は、長く一般には公開されてこなかった“未知なる空間”でもあります。

大谷資料館 広報 小野友也さん
「冬の間に冷気が入り、大谷石の壁が冷やされる。日が当たらないので大変涼しくなる。大谷石は熱を吸収しにくく、気温上昇が緩やかで涼しさが保たれる」

 長引く暑さもあり、9月に入っても例年より1000人ほど多い3000人の客が訪れるなど、客足は絶えません。

東京から来た人
「ダイヤとか宝石を見つけた」
「(Q.来た理由は?)宝石とかありそうだから」
「(半袖は)寒い。ミスりました」

埼玉から来た人
「幻想的な世界がすごかった。(気温は)冬みたいな感じ」

茨城から来た人
「(外に)出た後が怖い。タンクトップになるかも」

大谷資料館 広報 小野友也さん
「年々残暑が厳しく客も増えている。上着を持ってくるのが一番」

■「世界一幸せな動物」に異変

 まだまだ残る暑さの影響は、こんなところにも…。

 駆け寄って見に来たのは。

来園者
「たまにニコーッと笑ったりするんだよ」

 「世界一幸せな動物」と呼ばれる、クオッカです。ここにも“異変”が起きていました。

 通路にすっと立ち、こちらを見つめています。おなかの袋に赤ちゃんのいるオオカンガルーが自由に歩き回り、草や葉っぱを食むのは…埼玉県東松山市にある「埼玉県こども動物自然公園」。3連休最終日の15日も、大勢が列をなしました。

 日本ではここでしか見られない動物がいるのです。オーストラリアからやってきた小型のカンガルー「クオッカ」です。

来園者
「まん丸くて、小さい感じがかわいい」
「(Q.お目当ては?)クオッカ。笑っているような顔がすごく癒やされる」

■猛暑影響で展示時間を“変更”

 笑っているような顔をしていることから「世界一幸せな動物」と呼ばれるクオッカですが、やはりそこにも暑さの影響が…。

埼玉県こども動物自然公園 飯塚七海さん
「比較的暑い期間が長く続いたので、もともと平日は午後からの屋外展示だったところを午前10時から正午までに変更して展示している」

 クオッカは、強い日差しは好きじゃないというのです。

埼玉県こども動物自然公園 飯塚七海さん
「午後だと暑くなってしまい、なかなか日陰から出てこない。隠れてしまう」

 遠くからだと、見に来るのもなかなか大変です。

来園者
「(Q.何時間くらいかけてきた?)2時間くらい。日本暑いので、クオッカの健康のためなら仕方ない」