中国総合通信局の片桐広逸新局長が20日、広島市内で就任会見を開き、「誰もが安全・安心につながり、豊かに利用できる通信・放送と高度なデジタル環境の構築に取り組みたい」と抱負を語りました。
片桐局長は山形県出身の58歳。1992年に旧郵政省に入省し、総務省では通信インフラ整備や情報通信分野の国際戦略に携わったほか、5Gの普及や周波数政策を担当する部署で企画官や課長を務めました。2027年国際園芸博覧会協会ではICT部長を務め、今年8月に中国総合通信局長に就任しました。
著書に「決定版5G―2030年への活用戦略―」などがあります。
会見では、通信・放送インフラの整備や地域DXの推進、安心・安全な地域社会の実現を重点施策として掲げました。
このうち放送分野については、人口減少やスマートフォン・インターネットの普及により、放送や新聞を取り巻く環境が変化しているとの認識を示しました。そのうえで、地域メディアの多様性を維持しながら発展していくため、設備の共同利用などについて官民一体で協議していく必要があるとの考えを示しました。
また、近年急速に普及する生成AIについては、「業務効率化や地域課題の解決に役立つ一方で、著作権やサイバーセキュリティなどの課題もある」と指摘し、自治体や企業での健全な活用を後押ししたいと語りました。
片桐局長は、5Gについて「通信が速くなるだけではなく、多くのセンサーを同時に接続し、さまざまなデータを収集できることが大きな特徴だ」と説明しました。その活用先として農業や水産業、観光分野などを挙げ、広島県のカキ養殖を例に、水温や潮流、プランクトンの状況などをセンサーで把握・分析することで、生産現場が抱える課題の解決につなげたいとの考えを示しました。
さらに、災害時にも通信が途絶えないよう、衛星通信の活用や自治体との訓練を進めるなど、通信インフラの強化に取り組む方針を示しました。あわせて、増加するサイバー攻撃に対応するため、中小企業や自治体の対策強化も支援していく考えです。
片桐局長は「情報通信技術そのものが目的ではなく、情報通信を活用して人々の暮らしを豊かにすることが目的だ」と述べ、中国地方の課題解決に向けて地域と連携しながら取り組む姿勢を示しました。