文部科学省が特別支援学校の卒業者数を除外した「18歳人口」で大学進学率を算出していた問題で、特別支援学校を入れた算出方法に修正すると発表しました。
文部科学省の学校基本調査を巡っては、18歳人口に特別支援学校の卒業生を含めないまま大学進学率を算出していたことが明らかになりました。
これを受けて、松本洋平文科大臣は適切ではなかったとして謝罪し、過去の経緯を含めた調査を指示していました。
調査の結果、1999年度から大学進学率の算定方法に特別支援学校の卒業生が含まれていなかったということです。
また、大学進学率のように毎年度継続的に調べる「年次統計」で、高校卒業者数に占める就職者の割合など11の指標の算出において、特別支援学校の卒業生が含まれていませんでした。
これらの指標でも特別支援学校の卒業生を含めた算出方法に修正するとしています。
2024年度では、およそ1万人が含まれていなかったため、大学進学率でおよそ0.5ポイントの差が生じました。
今回の調査では過去の資料を確認することに加えて、調査を担当した職員へのヒアリングも実施されました。
退職者も含めた40人への聞き取りの結果、「統計的なトレンドをとらえることが大事という認識だった」「継続性の観点から前例を踏襲する形で算出していた」「卒業者数の扱いも含めて検討した記憶はあるが変更に至らなかった」などがあがりましたが、除かれた経緯については分からなかったということです。
文科省は不適切であったとして改めて謝罪するとともに、学校基本調査以外の15の調査においても、学校現場の負担に配慮しながら見直す方針です。
今後、職員を対象とした障害者理解に関する研修を行うほか、統計分析の専門家を増員するなど再発防止に向けた対策を講じるとしています。