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高市氏 日の丸背負って「一発背骨」小泉氏は“裏金議員”要職起用に含み 自民総裁選

政治

5人の候補者で出揃った自民党の総裁選が、あす22日に告示されます。この週末に出馬会見を開いた小泉進次郎氏と高市早苗氏は勝利のために、あえて“自分らしさ”を押さえているようです。

■小泉氏“裏金議員”要職起用に含み

21日、小泉氏が訪れたのは千葉県・船橋市の漁港。地元の漁師や漁業関係者らと意見交換を行いました。
(地元の漁師)「現場感覚で誰もが『魚が減っているよね』っていうのは年齢問わずみんなが言っているところなので…」
「もっと海が良くなるような僕なんか全然知恵がないので、ぜひ大きな頭を、脳の詰まった小泉さんからいろんな知識を得て…」
(農林水産大臣小泉進次郎氏(44))「資源回復につながっていく取り組みですよね」
この“車座対話”は、きのう20日の出馬会見で掲げた「なまごえプロジェクト」の一環。全国の国民の声を直接、聞いて回るといいます。
(農林水産大臣小泉進次郎氏)「いま自民党が立ち返らなければいけない『解党的出直し』というのは、こういった現場から始まる。一人一人の声を聞くことから始めるんだと、その重要性を再認識しました」
小泉氏の“最側近”で元財務官僚の村井英樹前官房副長官。20日、小泉氏の出馬会見へ向かう車内で話を聞きました。
(テレビ朝日千々岩森生記者)「この総裁選に向けての村井さんが準備してきた、村井さんの立場っていうか、どんな役割を果たしてこられた?」
(小泉氏の側近前官房副長官村井英樹衆院議員(45))「私自身は、“壁打ちの相手”っていうんですかね」
「壁打ち?」
(村井英樹衆院議員)「『こういうふうに伝えようと思うんだけど』とか、『こういうことを言おうと思うんだけど』、『どう思う』とか、ちょっと『聞いてみて』みたいな感じで言われて、それについて私なりのコメントをさせていただく。(会見では)なるべく短い言葉で、本質を伝えるっていうことをですね、小泉さんと試行錯誤しながら、というところはありました」

小泉氏が、会見で最初に掲げたのは「解党的出直し」です。
(農林水産大臣小泉進次郎氏)「私は初当選の直後、横須賀の選挙事務所で『自民党は解党的出直しが必要だ』と述べたことを今でもはっきり覚えています。自民党再生の取り組みこそ、私の政治家としての原点です」
小泉氏が初当選を果たしたのは2009年。民主党政権が誕生し、自民党は野党に転落しました。
(小泉進次郎氏(当時28歳))「『解党的出直し』新党のつもりでもう一度自民党を再建しなければいけない」
(村井英樹衆院議員)「野党時代の3年間を過ごしたっていうのが、やっぱり政治家としての原点なんだろうと思いますし、そこへの強い思いっていうのはずっと感じていましたね」
一方、去年の総裁選で掲げた「選択的夫婦別姓」は公約に盛り込みませんでした。
前回の総裁選で、最も多くの議員票を獲得したにも関わらず、党員票が伸び悩み、決選投票に残れなかった小泉氏。
今回はリベラル色を薄め、党員票の獲得を狙ったものと見られます。
(テレビ朝日千々岩森生記者)「小泉さんも逆にウイングを今日広げるような、雰囲気を感じましたけれども?」
(村井英樹衆院議員)「去年と今年で我々が置かれている環境も大きく変わっているのも事実でありますので、小泉氏自身の何か政治にかける思いとか覚悟とか、そういったものが変わっているとは全く思わないです」

この日、小泉氏は記者団から総裁になった場合「“裏金議員”の要職起用を考えるか」問われると…
(農林水産大臣小泉進次郎氏)「1度間違いをしてしまったことで、一生活躍の機会がないのか、その烙印を押され続けていくのか。このことが果たして本当に良いことなんだろうか。その思いは率直に言ってあります」
さらに…
(農林水産大臣小泉進次郎氏)「現時点で昨年のように、私が総理総裁になったらすぐに解散しますという状況にはないと思っています。これだけ自民党の内輪もめの中で国会を開催できず、今も政策の遅れを招いてしまっていること、このことの反省をしっかりと皆さんに示さなければいけないと思います」

■高市氏宣言「一発背骨入れ直す」

(草薙和輝アナウンサー)「時刻は午後6時を過ぎたところです。いま高市氏が到着しました。車から出てきます。このあと行われる決起集会に高市氏が出席します。会場の方へ向かっていきました」
「古屋圭司先生」
先ほど開かれた高市氏の「必勝の集い」には、旧安倍派をはじめとする保守派の政治家が集まりました。
「杉田水脈先生」
「みなさんがんばりましょう」
(前経済安保担当大臣高市早苗氏(64))「自民党員だったけれども今回は違う政党入れさせてもらう。こんな声をたくさん伺いました。ここで一発、自民党にシャキッと背骨を入れ直す」
(ジャーナリスト櫻井よしこ氏)「本当に高市さんが総理になるということは、自民党が自民党らしさを取り戻すということなんです。日本らしさを取り戻すというのはあなたしかできないと私は信じているの」
(前経済安保担当大臣高市早苗氏)「一緒にですね、1回自民党を見限って、離れていった仲間を連れ戻しましょうよ。それがまず一緒にやりたい仕事ですよ。連れ戻しましょう、帰ってきてもらいましょう」
「この総裁選挙、絶対に勝つぞー」

■“保守色”薄めた?高市氏側近は

(高市氏の側近奈良県連副会長小林茂樹衆院議員(60))「高市早苗推薦人をやってますので。10月4日勝負ですから」
「期待してます。がんばってください」
高市氏と同じ奈良県選出で、前回の総裁選でも推薦人を務めた小林茂樹衆議院議員。
祭りの会場で、自民党員に支援を呼びかけていました。
(小林茂樹衆院議員)「地元としてはね(高市さんに)期待する声が多いですよね」
(自民党員歴約30年)「もちろん、もちろん。やっぱりそのオーラっていうものが、人間性がバッて出るんでついていきたいってなるんですよね」

自民党が参議院選挙で大敗した後、高市氏を支援する声が高まっているといいます。
(小林茂樹衆院議員)「本来の岩盤保守層というところが自民党を離れた、そういう選挙結果だったと思うんですね。それがやはり全国から大きな渦のようになって高市さんに次は総裁になってほしいという声になっていると思います」
去年、1回目の投票で最多の党員票を集めてトップに立ちながらも、議員票の割合が大きい決選投票で逆転された高市氏。
(前経済安保担当大臣高市早苗氏)「Japan is back.こう、もう一度日本は声高らかに言わなくてはなりません」
憲法改正や不法な外国人対策など、従来の保守的な政策を打ち出す一方、去年の総裁選では公言していた「総理としての靖国神社参拝」は明言しませんでした。
Q.岩盤保守の人からしたら物足りない?
(小林茂樹衆院議員)「どう受け止められるかは分かりませんけれどもね。私は過去のやってこられた行動から、十分に国のことを思っておられるというところは分かっていますから」

■茂木氏・林氏・小林氏は“活発視察”

子ども食堂の誕生日会を視察したのは…茂木前幹事長。施設運営者の声に耳を傾けます。
(前幹事長茂木敏充氏(69))「どんなことが大変ですか?」
「この物価高騰下なので、毎日やってるんで、子どもたち15人、20人来る、その食事を確保することですね」

実際に起きた災害を体験できる施設を視察した林官房長官。
「東日本大震災」
(官房長官林芳正氏(64))「おおおおおお~」
「すごいですね…」

鋭い目つきで地上を見渡すのはコバホークこと小林・元経済安保担当大臣です。多くの外国人も利用する空の玄関口・羽田空港を視察しました。
(元経済安保担当大臣小林鷹之氏(50))「オーバーツーリズムの課題、非常に大きな内政上の課題と思っています」
総裁選はあす22日に告示され、来月4日投開票です。

9月21日『有働Times』より