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クロアチア首相 独占インタビュー ロシア脅威に「徴兵制復活」

国際

 ヨーロッパ東部に位置するクロアチアのプレンコビッチ首相が、ロシアの脅威を背景に緊迫化するヨーロッパの安全保障についてANNの単独インタビューで語りました。

 現在、来日しているクロアチアのプレンコビッチ首相。NATO=北大西洋条約機構の加盟国として、まず危機感を示したのは…。

クロアチア プレンコビッチ首相
「(ロシア軍)ドローンのポーランドの領空侵犯で新しい状況が生まれた。これはEU(ヨーロッパ連合)とNATOの防衛力の強化が正しいと証明している」

 ロシア軍のドローンが今月、ポーランドなどNATO加盟国の領空を繰り返し侵犯していることに「挑発行為だ」と訴えました。

 変化する安全保障環境に対応するためクロアチアの防衛力を強化するとし、来年からおよそ18年ぶりに徴兵制を再開するということです。

 ロシアのウクライナ侵攻はヨーロッパに「エネルギーの不安定化をもたらした」とプレンコビッチ首相は指摘します。

 制裁の一環として、アメリカのトランプ大統領は、NATOの全加盟国にロシア産原油の購入を禁止するよう求めています。

プレンコビッチ首相
「クロアチアには独自のオイルターミナルがある。ハンガリーやスロバキアなど近隣諸国のエネルギー安全保障を確保する用意がある」

 一部の国ではロシア産原油への依存度が高く、制裁への賛否が割れるなか、NATO加盟国でクロアチアが果たせる役割を強調しました。

 1990年代にロシアが支援していたセルビアと戦争を経て独立した旧ユーゴスラビアのクロアチア。

プレンコビッチ首相
「クロアチアはセルビアによる“地域統合政策”の犠牲者だった。全く同じではないものの(ウクライナと)似た経験をしている。そのため、多くのクロアチア人がウクライナへの同情と連帯を表明している。ロシアによる侵略を終わらせ、将来的に和平合意につなげられるような戦争終結への知識を、我々はウクライナに提供している」

 クロアチアは独立後、2009年にNATO、2013年にはEUにも加盟しました。

 「我々はEUに加盟した一番新しい国で、交渉の知識を提供する準備ができている」プレンコビッチ首相はウクライナとの連帯を改めて強調しました。