インフルエンザの流行が止まりません。県内全域に警報が発表されてから1週間。例年と比べて早い流行の背景には「サブクレードK」と呼ばれる変異株の存在がありました。
3日に発表された広島市内の1医療機関あたりのインフルエンザ患者数は42.23人と2週連続で警報レベルの30人を超え、ここ数週間で急激に増加しています。
警報レベルを超えた時期は過去10年間で最も早く、去年の同時期と比較しても流行のペースは一目瞭然です。
なぜ、ここまで早く流行がやってきているのでしょうか。
県感染症・疾病管理センターの桑原センター長は“変異株の存在”を指摘します。
県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「『サブクレードK』が広がったことによって流行の立ち上がりが急に早くなったということが言える」
「サブクレードK」とは今季流行しているインフルエンザA香港型(AH3型)の変異株で、国の調査では約96%がこの「サブクレードK」でした。
県内でも同じような傾向であるとされています。
県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「『サブクレードK』の特徴としては感染力が今まのものより強い、しかし症状は今までのものとあまり変わらない。重症度も今までと変わらない」
「サブクレードK」の特徴「感染力の強さ」の影響を大きく受けているのは子どもたち。県内の感染者の約85%が10代以下とされていて広島市内の学校では3日までに昨シーズンを超える学級閉鎖が発生しています。
県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「新型コロナの最盛期の時はインフルエンザの報告はほとんどなかったので、子ども世代がここ数年間罹っていない人もいるから(免疫がない)子ども世代に急激に広がって学級閉鎖が多かったり学校閉鎖もあるのだと思う」
気になるのはこの流行がいつまで続くのか。
桑原センター長は例年よりも流行入りが早かった分、ピークの時期も早くなると予測します。
県感染症・疾病管理センター 桑原正雄センター長「一昨年よりも、去年よりも(流行入りが)早いのでピークはおそらく12月の中旬、少なくとも下旬にはピークは絶対に来ていると思う」