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「年俸制」「育休」「おしい!広島県」…4期16年湯崎広島県知事の歩み

広島

次の選挙には立候補しない意向を表明した湯崎広島県知事。

4期16年の歩みをまとめました。

2009年、44歳で初当選した湯崎知事。

元通産省の官僚を経て通信系ベンチャー企業を設立。

次々と県庁に新たな風を吹かせます。

2010年10月18日

湯崎知事
「できるだけ少ない体制、少ないコストでサービスの質をあげていく」

課長級以上の管理職に成果や能力に応じて給与を支給する「年俸制」を導入。

2010年10月

湯崎知事
「生まれてから1カ月ほどはいろいろ子育てや家事を行うための休暇をとって」

2010年、第3子が誕生すると全国の知事として初めてとなる育休の取得を宣言。

公務の合間を縫い、幼稚園に通う長女を迎えに行く“イクメン”としての一面も見せました。

2012年観光キャンペーンでは「おしい!広島県」と自虐的な発信が全国の話題に。

ホームページは1カ月で140万アクセスを超えました。

景観保全の観点から賛否が割れた鞆の浦架橋計画は就任後に撤回。

広島市南区の被爆建物旧陸軍被服支廠の一部を取り壊す案を示しましたが、全棟保存に転換するなど政治的決断も重ねてきました。

2019年4月

教育改革にも力を入れてきました。

大崎上島に英語教育を重視する全寮制の中高一貫校叡智学園を開校。

2021年に開学した叡啓大学はソーシャルシステムデザイン学部のみの単科大学です。

今年の8月6日そして今年の原爆の日では世界に問いかけました。

湯崎知事
「核抑止が益々重要だと声高に叫ぶ人達がいます。しかし本当にそうでしょうか?抑止とは、あくまで頭の中で構成された概念又は心理、つまりフィクションであり、万有引力の法則のような普遍の物理的真理ではない」

核抑止力を真っ向から否定するあいさつが話題に。

ひろしまレポート核軍縮に向けた各国の取組み状況を評価し、点数化した「ひろしまレポート」を発表するなど、これまで広島市が主体で進めてきた平和行政にも力を入れてきました。

一方で厳しい批判を呼んだことも。

2020年4月新型コロナウイルスの給付金について「県職員が受け取る10万円を財源に活用したい」とする考えには、職員からも疑問の声が上がりました。

2017年平川 前教育長と関わりがあるNPO法人と県教委の契約をめぐっては、官製談合防止法違反の疑いがあると、弁護士らの調査で指摘が…

災害復旧工事をめぐる虚偽の公文書が相次いでみつかった問題では、組織的な関与も疑われ調査が進められています。

湯崎知事
「5期ということになるとやはり長いものではあるので視点や考え方が硬直化してしまうこともあり得る」

かねてから多選には批判的な考えを示してきた湯崎知事。

任期は11月28日までで4期16年の歩みに幕を下ろします。