桜と富士山の絶景を見ようと、外国人観光客が殺到している公園周辺では、毎年20万人が訪れる桜まつりを中止したにもかかわらず、オーバーツーリズムが深刻化しています。
■展望デッキ1時間待ちの大行列
観光客と車でごった返す道路。さらには警察まで出動する事態に。“まつりが中止”になった桜の名所が、混乱に陥っています。
富士山と五重塔、そして桜。日本ならではの景色を誇る山梨県富士吉田市の新倉山浅間公園。毎年20万人が来場する桜まつりを開催していましたが、観光客による混雑や迷惑行為で、周辺に住む人たちは疲弊。市は今年、桜まつりを中止しました。
しかし、絶好のお花見日和となった3日に現地を訪れると、園内の桜はまだ5分咲きだといいますが、外国人観光客を中心にたくさんの人が訪れています。
イギリスから来た人
「日本の象徴的な景色をこの目で見たかったんです。桜は咲きかけでしたがきれいでした。とても長い列ができていました」
市は安全対策として、1日から展望デッキに人数制限をかけ、5分ごとの入れ替え制にしています。それでもこれだけの大行列、待ち時間はというと…。
ツアー客
「1時間から1時間半待ち。時間がなかったので残念だね。いちばんの(見たい)景色だった」
■迷惑行為相次ぐ
観光客であふれるのは公園だけではありません。周辺では迷惑行為も起きていました。
住宅の目の前で、10人ほどの外国人観光客が座り込んで飲食したりタバコを吸ったりしています。
さらに危険な場面も。
走ってくる車の目の前を観光客が横断しています。車道を大きく広がって写真撮影をしています。その後ろから車が来ています。
公園周辺では、渋滞を防ぐため通行規制が敷かれています。しかし、そのすぐ外の限られた通り道は観光客と車でごった返し、ベビーカーすれすれを車が通ることもありました。
車を巡るトラブルはこれまでにも…。
近隣住民
「家のガレージの前に(車を)出そうとしたら止まっていた」
住宅のガレージをふさぐように止められた車。観光客が無断駐車したとみられます。
「30~40分ずっとこの状態だった。とりあえず警察には言ったんですけど」
警察に通報したのは、この時だけではないそうです。住宅前に止まっていたジャンボタクシーの外国人ドライバーに移動するよう注意すると…。
「すごく大きかった。190センチくらいあった。ワーって言ってダンってやられて」
車から降りてきたドライバーに突き飛ばされたといいます。さらに、取材の数十分前にも…。
「きょうは警備員さんが警察に通報していた」
あまりの混乱ぶりに警察が出動する事態になったということです。
「これが日常茶飯事でどうしようもないと思う。(観光客は)来ちゃうので。どうしたらいいのかな」
■私有地に停車「いたちごっこ」
日没が近づいても観光客はとめどなく訪れます。客の戻りを待っているのか、私有地にはジャンボタクシーなど4台の車が止まっていました。
近くに住む人がこの日すでに4回注意したものの、また別の車が止まる、いたちごっこ状態だといいます。
近隣住民がドライバーに注意すると、その車は出て行き別のジャンボタクシーも次々と動き出します。
番組スタッフ
「ここは(車を)止めてはいけない」
ドライバー
「申し訳ないです」
番組スタッフの声かけに「申し訳ないです」とだけ答えたドライバー。そのまますべてのジャンボタクシーが走り去って行きました。
住民は、切実な思いを抱えています。
「いい迷惑です。桜を切りたいくらいです」
「(Q.本来は桜が好き?)そうなんです。でもこんなに迷惑すると思わなかった」
市は、今月下旬まで公園周辺の警備や交通規制などを続ける予定だということです。
(2026年4月5日放送分より)