チベット仏教の最高指導者、ダライ・ラマ14世は後継者の選び方について、ダライ・ラマの死去後に生まれ変わりを探す「輪廻(りんね)転生」の制度を存続させていく考えを明らかにしました。
2日、チベット亡命政府の拠点となっているインド北部のダラムサラで、6日に90歳を迎えるダライ・ラマ14世のビデオ声明が発表されました。
このなかで後継者の選び方について、ダライ・ラマの死去後に生まれ変わりを探して認定する伝統的な輪廻転生の制度を存続させていくと述べました。
そのうえで、ダライ・ラマ14世によって設立された財団だけに後継者を決める権限があり、「他のいかなる者にも干渉する権利はない」と強調しました。
チベット自治区の統治を強めている中国政府が後継問題に介入するのを牽制(けんせい)したものとみられます。
中国政府はダライ・ラマについて、独立を図る「分裂主義者」と批判していて、声明に反発するのは必至です。