埼玉の小学生ひき逃げ事件で、先ほど警察は現場から立ち去った車を運転していた中国籍の男が飲酒運転だった疑いが強まったと発表しました。また同乗者の男も新たに逮捕しました。番組は車を運転していた男の妻を取材。男が「運転していた車に、子どもがぶつかってきた」と話していたと、明らかにしました。
■逮捕 中国籍の男 直前に“飲酒か”
(トウ容疑者の妻)「旦那さん、いま警察署に行ったよ。けさ友達に頼んで夫と一緒に警察署に行ってもらった。友達は弁護士の通訳。自分も警察から話を聞かれた。」
こう話すのは小学生4人を車ではね、逃走したとみられる男の妻です。
(草薙和輝アナウンサー)「午前8時半すぎ、こちらの警察署に車を運転していたという男が出頭してきました」
逮捕されたのは、埼玉県三郷市の解体工で中国籍のトウ洪鵬(とう・こうほう)容疑者(42)です。
トウ容疑者は14日、三郷市の交差点で下校中だった小学6年の男子児童4人を車ではね、そのまま逃走した疑いが持たれています。警察によると、4人の児童のうち1人は右足の甲に剥離骨折の疑いがあり、3人は打撲の軽傷です。
警察の取り調べに対しトウ容疑者は…
「ぶつかったことに間違いありませんが、相手が大丈夫と言っていたのでその場から離れただけ」などと一部否認しています。
(草薙和輝アナウンサー)「トウ洪鵬容疑者が酒気帯び状態で車を運転していた疑いがあると明かしました。さらに、三郷市内でともに飲酒をしていた王洪利(おう・こうり)容疑者(25)も、トウ容疑者が酒に酔っていると知りながら車に同乗したとして、逮捕されました。」
事故直後に現場から立ち去った車を運転していたトウ容疑者。いったいどのような人物なのでしょうか?
(草薙和輝アナウンサー)「容疑者はこちらの団地におよそ1カ月前に引っ越してきたということです。住民からは大型のSUVに乗る姿も目撃されています」
トウ容疑者の自宅の近くに住む人は…
Q.見たことは?
(トウ容疑者の近隣住人)「あります。スキンヘッドというか。SUVみたいな車は見たことあって、荷物運んだりしているのは見てた。私すぐそこに停めているので、目の前に停められちゃっていて、出るのに話しかけたことはあった」
Q.その時の対応は?
「普通に良かった。『ごめんなさい、ごめんなさい』みたいな」
Q.日本語も?
「片言ですけど、最初、外国人と思わなくて、上手だった」
■「子どもが車にぶつかってきた」妻に説明
トウ容疑者の妻に話を聞くことができました。
Q.事故を起こしたことは知っていますか?
(トウ容疑者の妻)「知っています」
Q.奥さんにはどのように話していましたか?
「彼は『運転している時に子どもが遊んでいて、その子が車にぶつかってきた』と言いました。車を降りましたが、日本語が上手くないので『大丈夫』としか聞けなかったようです。子どもが『大丈夫』と言ったので、その場を離れました。彼は逃げたわけではない。その時、車を降りました」
Q.あの車は彼の車ですか?借りてきた車ですか?
「彼の名義で彼が所有しています。私も警察署に行き、警察もうちに捜索に来ました。協力しています。」
Q.あなたも警察署に行かれたのですか?
「そうです。私も行きました。しかもきょう友人に頼んで、彼を警察署に連れて行きました。いま警察署にいるはずです」
■逮捕の男2人・事件直前まで飲酒か
「え?どうしたの?事故?」
事故の直後、一旦は車を降りたトウ容疑者。「何があった」と尋ねる大人の声を無視する一方、子どもにはこう話していたそうです。
(トウ容疑者)「ごめんね、ここは邪魔だから、違う場所に行くね」
「すみません、たぶん逃げました」
住宅街では右折や左折を何度も繰り返し、前の車にも急接近。大通りに出る際には、センターラインを大きくはみ出していました。その後、右折して川沿いの県道へ。事故から約8分後には、現場から2kmほど離れた場所を通過していました。そして…
「あ、擦った跡ある、擦った跡ある。擦った跡あります」
逃走した車が発見されたのは、解体や産廃処理を行う会社の寮の敷地でした。この会社の従業員に話を聞くと…
(寮の住人)「自分が去年10月に事故にあったとき、病院に送ってくれたがそれきり」
Q.どこに住んでいるかとか話は?
「同じく下請けをしているようだよ」
会社の社長によれば、トウ容疑者は会社に出入りはあったが従業員ではなかったといいます。
(トウ容疑者が出入りした会社社長)「あの人はいつも髪はない感じですね。3カ月前に、あの人、うちでアルバイト。仕事の時はしっかり仕事してください、やりなさいって指示を言ったんだけど。仕事よくない感じですね、ダラダラやってる感じ」
3カ月ほど前までアルバイトをしていたというトウ容疑者。しかし、運転していた車は1000万円ほどするイギリスの高級SUV「ディフェンダー」。容疑者の妻によれば、容疑者本人の名義の車だといいます。
(地元のタクシー運転手)「乗務で待機しているときに、駅のロータリーのほうに入ってきて、わー、珍しい車が走っているんだな、みたいな感じで記憶に残っていた。ディフェンダーに三郷で乗っている人って、その人しかいないんじゃないかというイメージ。そんな何台もは見ないですから」
Q.同業者の方の間でも話題に?
「そうですね。『珍しい車が通ったね』みたいな話は車好きの間でしました。」
事故を起こした直後に現場を離れ…しかもその高級車をアルバイト先だった寮の敷地に残して姿を消したトウ容疑者。会社の社長は、逮捕された今も憤りを抱いています。
(トウ容疑者が出入りした会社社長)「だからうちは、この恥ずかしい、すごく卑劣な事件とうちは関係ないのよ。早く反省して、謝罪してほしいですね、それだけです。」
5月18日『有働Times』より