呉市の日本製鉄呉地区跡地で計画されている「複合防衛拠点」の整備をめぐり、防衛省は11日、広島県、呉市、日本製鉄との4者協議を開き、計画の進捗状況や今後のスケジュールについて説明しました。
防衛省は先月、日本製鉄と跡地の取得契約を締結していて、今回の協議では、建物の解体などが完了した区画から順次引き渡しを受け、整備を進める方針を示しました。
また、防衛省は新たに、拠点の将来像を示すイメージ図を公表しました。図では、防衛関連企業の誘致エリアのほか、無人機の製造・整備施設、庁舎、物資集積施設、燃料タンク、防災拠点、火薬庫などが配置されていて、複合防衛拠点の全体像が視覚的に示されています。
防衛省は、今後の検討や関係機関との調整により内容が変更される可能性があるとしています。
民間企業誘致エリアでは今月から企業募集が始まっていて、防衛省は地域経済への貢献や地元企業への発注、雇用創出なども考慮したうえで、来年5月ごろに進出企業を選定する方針です。
広島県の吉松亨副知事は「契約締結により呉地区の整備に向けて大きく一歩進んだものと認識している」と述べたうえで、「民間企業の誘致エリアには経済波及効果が期待できる企業や先進的な研究を実施する企業などを誘致することが重要」との考えを示しました。
午後には、防衛省の担当者が呉市議会でも計画の概要を説明しました。これに対し、片岡慶行市議は跡地の更地化や地下埋設物の処理について質問し、防衛省側は「日本製鉄側が作業を行い、引き渡しを受ける際には防衛省として適切に確認する」と説明しました。
また、呉市の新原芳明市長は「呉経済のこれからの発展と市民の安全・安心への配慮を今後も最大限期待したい」と述べました。
防衛省は2027年度予算の概算要求で関連経費を「事項要求」として計上していて、年末の政府予算案編成までに整備内容や必要経費を具体化するとしています。
来年3月までに施設配置などの基本計画を取りまとめ、本格的な整備につなげる方針です。