20日も広島県内は厳しい暑さとなり、4地点で猛暑日となりました。
午後3時時点で、熱中症の疑いで14人が搬送されました。
出動件数が増えている救急隊、広島消防で唯一の「日勤救急隊」に密着しました。
広島市南消防署、午前8時すぎ。
チャイルドシート付きの自転車に乗り、消防署に出勤する1人の女性隊員がいました。
西谷華絵さん、30歳。この道8年の救急隊員です。
速い足取りで階段を駆け上ります。
南消防署 西谷華絵さん「ギリギリに来ちゃうんで」
実は、西谷さんは2歳の子どもを育てるお母さん。
この日も保育園に子どもを預けてから仕事に来ました。
24時間勤務が基本の救急隊ですが、西谷さんが所属するのは広島消防の中で唯一の昼間にのみ出動する“日勤救急隊”です。
救助の要請が入ると一目散に救急車へ、1秒も無駄にはできません。
80代の女性に意識障害の症状がみられたとして、現場に急行。
南消防署 西谷華絵さん「首触るよ?」
この女性の症状は持病によるもので、主治医に連絡がつきました。
南消防署に日勤救急隊が導入されたのは2021年。
狙いは救急需要が高まる時間帯の強化でした。
広島市内で去年1年間に搬送された人数を時間別に分けると、午前7時から8時にかけて大きく上昇し、昼間にかけて高止まりしています。
この時間帯に通常の「救急隊」と「日勤救急隊」の2隊を待機させることで、救急車の現場到着時間の短縮を目指しています。
一方で子育てもする西谷さんにとっては“新たな選択肢”にもー
南消防署 西谷華絵さん「子どもが小さいので24時間勤務が難しくて、仕事と子育てが両立がしやすい日勤救急隊を希望した」
日勤救急隊の勤務は午前8時30分から午後5時15分まで。
24時間勤務が難しい隊員も救急の現場で経験を積み続けられるなど、働き方改革にもつながっています。
お昼ご飯は束の間の休息です。
記者「要請がかかったら?」
南消防署 西谷華絵さん「出ますね。お弁当を置いて出ます」
日勤救急隊 大和誠隊長「分からないですけどね、そればっかりは。要請がかかるかどうか」
暑さが厳しくなるこの時期、出動件数も増加傾向に。
広島市によりますと、熱中症の疑いによる搬送件数は、梅雨明けしてからのわずか10日ほどで、すでに100件を超えました。
日勤救急隊 大和誠隊長「署に帰ってこられないこともけっこうある」
記者「暑くなったこの時期から忙しくなった?」
日勤救急隊 大和誠隊長「そうですね。あります、あります、もちろん。きのうは3時くらいにお昼ご飯を食べた」
この時期、患者は熱中症の人だけではありません。
この日の日勤救急隊の出動は4件、搬送も含めると1件1時間以上かかります。
搬送する症状は発熱やけいれんなどさまざまです。
南消防署 西谷華絵さん「私たちからしたら救急搬送は何回もある。同じことの繰り返しなんですけど、家族や患者さんからしたら初めてのことなので、そこは流れ作業にならないように」
子育てと救急の現場。
そのどちらにも向き合いながら、西谷さんはきょうも命をつなぐ最前線に立ちます。
南消防署 西谷華絵さん「私自身も今後24時間の勤務に戻りたいと思っているので、そういう女性のロールモデルになることが私の目標」