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日本製鉄呉地区跡地 新たな防衛拠点整備へ 防衛省「火薬庫も検討対象」地元は? 呉市

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多機能な複合防衛拠点を整備する案が浮上した日本製鉄呉地区の跡地活用問題。防衛省が呉市議会で計画の概要を明らかにしました。

防衛省地方協力局 村井勝総務課長「今後呉地区の重要性は増大していくと考えている。防衛省としてはこの地区に多機能な防衛拠点を新たに整備したい」

計画では大きく3つの機能が示されました。

「装備品の維持整備と製造基盤」「艦艇の配備や訓練場など部隊の活動基盤」「岩壁などを活用した港湾機能」

このうち部隊の活動基盤には「火薬庫も検討対象に含まれる」とし、議員からは安全性に対する質問が相次ぎました。

定森健次朗市議「市の安全性を危惧する声が市内外から聞こえている」

上村臣男市議「弾薬庫という言葉が躍り出て、有事のときに標的にされるのではないかと」

防衛省は火薬庫は全国にあり、自衛隊発足以来事故はないとし、法令に基づいて管理をしていく考えを示しました。

防衛省地方協力局 村井勝総務課長「防衛力の抜本強化によって、むしろ抑止力・対処能力が上がると考えている。(引き続き)説明をしていきたい」

市民からは街の経済活性化へ期待の声も上がりました。

無職女性(70代)「個人的には良いと思います。やっぱり経済効果があったら良いと思います」

会社員(60代)「歓迎まではしないですけど、確かに標的になるとかは懸念されると思いますけど、人が増えたり産業が起こったりすることは良いことじゃないかなと」

一方で防衛施設による活用計画には不安の声も。

「防衛省に売却反対!日鉄跡地防衛省に売却!」

呉市役所前には約40人が集まり、市民に不安や危険を与えているなどと訴えました。

呉市民(60代)「平和のことを考えると自衛隊の拠点化は大変危険なことではないかと」

呉市民(60代)「戦争になったときに攻撃される点では国民の暮らしや命を守ることにつながらない」

防衛省は跡地の一括購入について日本製鉄側と交渉中とし具体的な明言を避けました。

呉市 新原芳明市長「皆さんの意見を聞いて当然判断していくことになる。国の方針で抑止力を高めることでより平和になる日本の安全が確保されるのが基本だと思っている」

呉市は防衛省に県と日本製鉄も含めた4者での協議を今後進めていく考えです。