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鞆町トンネル1年完成延期に…現場は 福山市

広島

トンネル工事といえば広島高速5号の二葉山トンネルの工事の遅れについてお伝えしてきましたが、福山市鞆の浦のトンネル工事でも遅れが出ています。カメラが現場に入りました。

寺田琢哉記者「このあたり完成すると3車線ということで少し広くなっていて、その先とサイズが違うのがわかります」

福山市鞆町で工事が進む「鞆未来トンネル」。東側の入口付近では防水シートを貼った後にコンクリートで覆う工事の途中で完成が想像できるほど順調に進んでいました。

多くの観光客を引き付ける風光明媚な港町・鞆の浦。しかし道幅の狭さによる渋滞が問題となっていて、県は埋め立て架橋計画に代わる山側トンネル工事を進めていました。

総事業費110億円の一大プロジェクト。完成は来年3月末までを見込んでいました。しかし・・・

県東部建設事務所 栢英彦所長「(完成が)具体的には令和7年3月末になる見込みとなりました。早期の完成を期待されていた皆様方につきましてはこのようなことになり申し訳なく思っています」

12日、住民説明会の場で県が説明したのはトンネル完成見込みの1年延期でした。両側から掘り進めていますが全長2.1kmの半分も終わっていません。一体なぜ・・・

寺田記者「鞆未来トンネルの西側の入り口に来ています。ここから150m先でまさに工事が行われています」

西側のトンネル工事現場では特殊な重機をつかって掘削したあとの壁面を補強していました。トンネル内には排水処理や新鮮な空気を送るための多くの配管があります。入口側から見て緑色に光る部分がちょうど100m。1日最大6m掘り進められていて、掘っては固める作業を2交代制で昼夜行っています。

県によると岩盤が固かったため、西側の「一般道とトンネルをつなぐ道路」の整備が難航し、掘削開始が遅れたのが原因だといいます。

県東部建設事務所 栢英彦所長「少しでも早くできるような工事の工夫も検討して実施しているところもある。そのようなこともしながら一日でも早い完成を目指していきたい」

広島市の高速5号二葉山トンネルでも岩盤の固さなどから完成が遅れています。鞆のトンネルは工法が違うことからトンネル本体工事の影響は少ないといいますが、建設資材の高騰もあり事業費の増額は避けられそうにありません。

長い議論の先に始まった地元の未来を背負うトンネルだけに着実な工事が求められます。