衆議院選挙に関する情報がSNS上で出回るなか、専門家は実際にあった出来事を使い、見た人を誤解させるという新たな手口でのフェイク情報に注意を呼び掛けています。
Japan Nexus Intelligence
高森雅和代表取締役
「ある主体にとってリスクのある情報、誤解を生みやすい情報などを総じて、悪性ナラティブと呼んでおります」
専門家が分類した新たなフェイクの手口「悪性ナラティブ」とは、実際にあった出来事を加工するなど、本来の文脈から切り離し、誤解を招く情報として、悪意を持って拡散される言説を表しています。
見抜くのは難しく、それがゆえに拡散されやすいといいます。
高森代表取締役
「怒り、憎悪、恐怖みたいなものをあおるコンテンツはパワフルに作用する」
その一例として専門家が挙げたのは、JICA=国際協力機構が去年8月に発表した、自治体とアフリカ諸国との交流を目的とする「アフリカ・ホームタウン構想」です。
「アフリカ・ホームタウン計画の白紙撤回を求めます」
現地メディアの誤った報道もあり、日本のSNS上では「アフリカ移民が押し寄せる」などといったフェイク情報が広まりました。
構想とは全く関係ない、海外で過去に起きた暴動などの写真に誤解を招くような文字情報が載せられた投稿も拡散されたのです。
高森代表取締役
「過激な暴動の画像を持ってきて、そこに今治や木更津など今回のホームタウン構想に関わった地域の文字をのせる事によって、あたかもこの施策によって、この地域でこんなことが起こるみたいな恐怖感をあおるようなコンテンツ。アフリカ・ホームタウン構想にまつわる悪性ナラティブとして判断しています」
フェイク情報をきっかけに、移民の受け入れを反対する抗議活動まで起こる事態となり、「アフリカ・ホームタウン構想」は撤回されました。
専門家は、「悪性ナラティブ」によるフェイク情報が選挙の際にも拡散されれば、「民主主義の根幹を揺るがしかねない」と警鐘を鳴らします。
高森代表取締役
「結果的に一人ひとりの投票行動や認知に影響を及ぼすということが考えられる。特に過激な情報や怒り、恐怖を感じるような情報は、意図的に作られている可能性があるかもしれないと思い、新聞、テレビなどをしっかり確認して判断をするということが必要」