2020年度放送分

400年伝わる花/広島市・元宇品

広島市中心部から南、5キロに位置する自然豊かな元宇品。初春、この島にあるお寺の境内に珍しい花が咲きます。白い花びらに赤い模様が入ったヒロシマツバキ(広島椿)です。樹齢約400年の木からいくつもの花を咲かせています。

枯葉剤からよみがえった自然/ベトナム・カッティエン

インドやスリランカで多く見られるサンバー。ベトナムの草原で出会いました。水辺や湿地に棲息していることが多い鹿で、泥浴びを好みます。単独もしくはメスと幼体からなる小規模な群れで生活しています。肉食動物に捕食されるだけでなく、乱獲などによりその数は急激に減少していて国際自然保護連合はこの種を絶滅危機種として認定しました。

日本海の南国/山口県・見島

国立環境研究所地球環境研究センターが日本の8海域を調べたところ海水温上昇がすすんでいます。近年、対馬暖流に流され水温が高い秋に山口県の日本海側にもクマノミが姿を現します。ただ海水温が高い状態が続くと、サンゴやイソギンチャクは体内に共生する藻類を失い白化。これにより共生するクマノミは、ストレスが高まって産卵数が約7割も減るというデータもあります。

早まる雪解け/広島県北広島町

雪降る北広島町を訪れました。メジロは茂った常緑広葉樹林を好み平地から山地までの林に棲息する鳥です。寒冷地を除き、全国で観ることが出来ます。これまで観賞用に捕獲を認めていましたが密猟を助長する恐れがあるため許可されなくなりました。日本野鳥の会によると、美しい鳴き声が人気のメジロは密猟が後を絶たないそうです。

海を越えたバオバブ/オーストラリア

オーストラリアとマダスカルのみに自生するバオバブ。オーストラリアに自生しているバオバブは、採取や伐採が厳しく禁じられています。しかし、農地開発などの対象となった地域など特別な理由がある場合に限りライセンスを持つ地元企業が政府の許可を得た上で採取。国内での移植や海外向け輸出を行っています。2年前、このシンボリックな巨木の保護を目的とし改修された広島植物公園の大温室へバオバブがやって来ました。

ヒメヤマツツジ/広島県呉市

瀬戸内海は比較的温暖な地域のため春から夏に咲く花も寒い時期に咲くことがあります。広島県と山口県にだけ分布している特色のある植物です。本来は4月中旬から5月下旬にかけピンク色の背の低い花を咲かせるヒメヤマツツジ。ヤマツツジの変種で花の直径は2、3cmほどです。

ヤマガラ/広島県安芸太田町

ヤマガラは1年を通してよく見られる小鳥で、日本と朝鮮半島、台湾にしかいません。落葉広葉樹林や照葉樹林に生息し、冬期は平地林や市街地の公園でもよく見られます。夏には「昆虫」などの動物質を食べますが冬は主に「果実」を食べます。樹木の実を樹皮の隙間や土の中などに隠し貯食する習性があり、樹木の種子を蒔くことに大きく貢献しています。

ライチョウ/アラスカ

アメリカの「最後のフロンティア」といわれるアラスカ。手つかずの大自然にも、地球温暖化の影響が現れ始めています。アラスカ州最大の都市、アンカレジの北約200キロにあるデナリ国立公園・保護区には多くの野生動物が棲息しています。アメリカの環境保護局(EPA)によると、アラスカ州の温度上昇の速さは1970年代半ば以降、アラスカ州より南に位置する48州の3倍のペースになっているといいます。アメリカの国立公園の約3分の2がアラスカ州にあり、同州では気候変動が特に課題になっています。

オフシーズンの歓び/北広島町

広島県の北西部、北広島町大朝にそびえる寒曳山は、「大朝富士」の別名で親しまれています。標高825メートルの山頂からは、大朝の全景はもちろん、中国山地と日本海を一望できます。北斜面には、西日本の草分け的存在であるスキー場があり、広島市から一番近いため多くの方に親しまれています。そんなゲレンデのそばに秋の山野草の代表的なリンドウが咲いています。本州、四国、九州に分布し、人里に近い野山から山地の明るい林床や草原に見られます。小指の先ほどの淡い紫の花をつけます。しかし、農業の機械化や都市化の影響を受け自生地は急激に減少。最近では、全くといっていいほど我々の目の前から姿を消しています。

お家はサンゴ/沖縄県・西表島

カエルアマダイは水深100mより浅い場所に、自分で穴を掘って住んでいます。時には、貝殻で穴に蓋をしていることもあります。几帳面な性格なのか、砂利やサンゴなどを口でくわえて頻繁に巣穴を整えます。この穴から頭上を通過する小動物などを捕食します。穴をほって生活しているため、その生態は殆ど知られていません。沖縄県西表島にすむ彼らが器用にくわえているサンゴはここ数年、大きな悩みを抱えています。赤土の流出による汚染、海水温が上がることで生じる白化現象、サンゴを食べるオニヒトデの大量発生など。それらが複雑に絡まりあっているため生息地を脅かされています。

ごんずい玉/山口県・青海島

ゴンズイは、海に生息するナマズの仲間です。集団で行動する習性があり特に幼魚の群れは巨大な団子状になるため、「ごんずい玉」とも呼ばれます。大きくなったり、しぼんだり、まるくなったり、かたちを変える不思議なゴンズイ玉です。一般的に群れの利点は、同じ大きさ、同じかたちの魚が群れていると、捕食者はねらいを定めにくいということです。

産卵場所/鳥取県

「清流の女王」と呼ばれるアユ。産卵期は秋、下流域におりて産卵します。多くの川で天然アユの数は減っています。その原因の1つが産卵場所の減少。河川工事や森林伐採により流入した土砂が川底を覆ったりダムの造成などにより大きな礫が下流に流れてこなくなったり様々な要因が考えられています。そのため人工産卵床づくりも進んでいます。

里山から街へ/山口県下関市

ヒヨドリは、留鳥でありながら渡り鳥でもある興味深い生態を持っています。繁殖を終えた鳥たちが冬を過ごす地へと旅をする季節。優れた飛行能力を持って、ヒヨドリは集団で移動する“渡り”をします。本来は山地から平地の林に生息する鳥ですが、少しずつ市街地へ広がり都市部でも生息するようになりました。ただ、都心部で繁殖できるようになった正確な理由は不明だとか。なんでも食べる雑食性ゆえに食べ物が豊富だったため少しずつ増えたという説もあります。

レンカク/パプアニューギニア

レンカクは足の先に長い足指と爪を持ち、この足指で体重を分散させる事で水面に浮かぶ水生植物の葉の上などを歩行する事ができます。歩きながら浮草の上にいる昆虫を食べたり、水中に住むカエルや小さな魚、貝類や無脊椎動物などを食べたりして生活しています。一般にレンカクの仲間は一妻多夫で、巣作りや子育てはオスが行います。オスは浮草の上に巣を作り、子育てもオスのみが水の上で行います。卵を産んだメスは巣を離れ、次の繁殖相手を探します。

ザトウクジラ/東京都・小笠原

撮影地の小笠原は、ザトウクジラの大事な繁殖地域の1つです。捕鯨船の補給基地として開拓・定住が始まった歴史もあり、クジラと密接な関係にあります。商業捕鯨全面禁止後の1989年、日本で初めてホエールウォッチングが行われました。ザトウクジラの来遊期間が毎年12月から5月です。子育てをする様子やアクティブな行動を見ることができます。

トチノキ/鳥取県

トチノキは北海道西南部から九州地方それに中国地方の山地の渓流沿いに分布しています。落葉性の高木で、水気を好み、適度に湿気のある肥沃な土壌で育ちます。初夏は花の季節、一目でトチノキのものと分かり4つある白色の花弁は基部中央が淡い紅色になります。幹は直径1mをこえる大木となり加工しやすいため昭和中期以降、一枚板のテーブルやお盆などに使用されることが多いです。乱伐が原因で産出量が減り銘木級の高価な木材となっています。

アフリカオオノガン/ナミビア

草原を歩き回って暮らすツルの仲間です。最大の特徴は大きさ。身長150cm、体重18キロもあります。飛ぶ鳥の中で世界一重い鳥です。この巨体を維持するため、1日のほとんどを食事に費やさねばなりません。バッタやトカゲ、草の茎や穂などの植物、キノコや樹脂など、草原にあるものは何でも食べます。たくさんの食べ物を確保するため、4キロ四方にもなる広大な行動圏の中、たった一羽で暮らしています。

サメ穴に棲む/島根県

島根県・七類港からおよそ2時間。松江半島の沖合50キロにある隠岐の島。大小180の島からなる隠岐諸島の1つです。対馬暖流に囲まれた豊穣の海に浮かぶ火山島です。本土では貴重となった自然海岸がそのままの形で残されており、豊かな森林とあいまって独特の海中景観と生態系を作り出しています。そんな豊かな環境のもと、多くの魚たちが生息。通称「サメ穴」と言われる岩陰にいるのは、ドチザメです。全長1mほどの小型のサメで、普段は海底でじっとしています。おとなしく、危害を加えない限り滅多に人を襲うことはありません。

メバル/広島市

瀬戸内海を代表する魚、メバル。全長は20cmから30cmほどです。口と眼が大きく、「メバル」という和名も大きく張り出した眼に由来しています。北海道南部から九州、朝鮮半島南部に到る海域に分布。岩礁付近を群れて泳ぎ回るが、垂直に切り立った岩場に沿ってホバーリングするように立ち泳ぎすることも。食性は肉食で、貝類、多毛類、小型の甲殻類、小魚などを捕食します。

渓流で生きる/広島県

清流と緑の峡谷美を誇る三段峡は、三段峡入口から聖湖までの全長約16kmにおよぶ大峡谷です。峡谷美だけでなく多種多様な植物群と遊歩道から古木、巨木を見ることができる日本唯一の峡谷といわれます。滝に潜りました。そこには夏を告げる旬の魚、アユの姿が。瀬戸内海に下って成長したあと生まれた川に戻り産卵を行います。

人との距離/北海道

キタキツネは、北海道のほぼ全域、特に道東に多く生息しています。主なエサはネズミや鳥類、昆虫。秋には果実や木の実も食べます。昔は毛皮目的で多く捕獲されていました。近年、住宅街に出てきてエサを探したり、犬や猫のエサを食べたりすることも多く、人との関係が問題となっています。哺乳類の中では珍しく雄も子育てします。雪解けが終わり、暖かくなる頃に子どもを産み、秋の終わり頃に子別れをし成長していきます。

生命の泉/ナミビア

アフリカの南西部に位置するナミビア。国土の4割ほどが国立公園や自然保護区として管理されています。1990年に南アフリカから独立する際、自然環境の保護を憲法に盛り込みました。海岸線に沿うように1000キロ以上に渡って続くのがナミブ砂漠です。世界で最も古く、最も乾燥しているといわれています。そんな過酷な環境の中、「生命の泉」ともいえる水場がありました。乾燥地帯に残された貴重な水を求め様々な動物が群れを成して訪れてきます。

地上で暮らす/ナミビア

ジリスはリス科のうち地面または地下で生活するものの総称です。リスというと木に登って木の実を食べているイメージがありますがジリスは木登りが苦手。代わりに土を掘って地下に巣穴を作ることができます。食性もリスが木の実や昆虫を主食とする雑食であるのに対しジリスは植物の葉を主食とする草食のものが多いです。

夜に鳴く神/北海道

北海道の森林に生息するフクロウ。全長50cm、翼開張98cmで、丸い顔で目が黒い。昼間はほとんど活動せず、夜になると鋭い爪でネズミや小鳥などを捕食します。寒さから身を守るため、足の下部まで羽が生えています。また、ハート型をした顔は、小さな音を聞くことができるようアンテナの役割が。さらに、左右の耳の位置が上下ずれていることから、音の方向や距離を知ることができます。両目が頭部の前面についており、頭部が真後ろ、上下反転できるなど自由な稼働が可能。大木のある場所を好み、地上の切り株の横など地面での営巣例も多くタカ類の古巣を利用することもあります。