世界中を取材した自然を紹介し、環境に関心を。

オフシーズンの歓び/北広島町

広島県の北西部、北広島町大朝にそびえる寒曳山は、「大朝富士」の別名で親しまれています。標高825メートルの山頂からは、大朝の全景はもちろん、中国山地と日本海を一望できます。北斜面には、西日本の草分け的存在であるスキー場があり、広島市から一番近いため多くの方に親しまれています。そんなゲレンデのそばに秋の山野草の代表的なリンドウが咲いています。本州、四国、九州に分布し、人里に近い野山から山地の明るい林床や草原に見られます。小指の先ほどの淡い紫の花をつけます。しかし、農業の機械化や都市化の影響を受け自生地は急激に減少。最近では、全くといっていいほど我々の目の前から姿を消しています。

お家はサンゴ/沖縄県・西表島

カエルアマダイは水深100mより浅い場所に、自分で穴を掘って住んでいます。時には、貝殻で穴に蓋をしていることもあります。几帳面な性格なのか、砂利やサンゴなどを口でくわえて頻繁に巣穴を整えます。この穴から頭上を通過する小動物などを捕食します。穴をほって生活しているため、その生態は殆ど知られていません。沖縄県西表島にすむ彼らが器用にくわえているサンゴはここ数年、大きな悩みを抱えています。赤土の流出による汚染、海水温が上がることで生じる白化現象、サンゴを食べるオニヒトデの大量発生など。それらが複雑に絡まりあっているため生息地を脅かされています。

ごんずい玉/山口県・青海島

ゴンズイは、海に生息するナマズの仲間です。集団で行動する習性があり特に幼魚の群れは巨大な団子状になるため、「ごんずい玉」とも呼ばれます。大きくなったり、しぼんだり、まるくなったり、かたちを変える不思議なゴンズイ玉です。一般的に群れの利点は、同じ大きさ、同じかたちの魚が群れていると、捕食者はねらいを定めにくいということです。

産卵場所/鳥取県

「清流の女王」と呼ばれるアユ。産卵期は秋、下流域におりて産卵します。多くの川で天然アユの数は減っています。その原因の1つが産卵場所の減少。河川工事や森林伐採により流入した土砂が川底を覆ったりダムの造成などにより大きな礫が下流に流れてこなくなったり様々な要因が考えられています。そのため人工産卵床づくりも進んでいます。

里山から街へ/山口県下関市

ヒヨドリは、留鳥でありながら渡り鳥でもある興味深い生態を持っています。繁殖を終えた鳥たちが冬を過ごす地へと旅をする季節。優れた飛行能力を持って、ヒヨドリは集団で移動する“渡り”をします。本来は山地から平地の林に生息する鳥ですが、少しずつ市街地へ広がり都市部でも生息するようになりました。ただ、都心部で繁殖できるようになった正確な理由は不明だとか。なんでも食べる雑食性ゆえに食べ物が豊富だったため少しずつ増えたという説もあります。

レンカク/パプアニューギニア

レンカクは足の先に長い足指と爪を持ち、この足指で体重を分散させる事で水面に浮かぶ水生植物の葉の上などを歩行する事ができます。歩きながら浮草の上にいる昆虫を食べたり、水中に住むカエルや小さな魚、貝類や無脊椎動物などを食べたりして生活しています。一般にレンカクの仲間は一妻多夫で、巣作りや子育てはオスが行います。オスは浮草の上に巣を作り、子育てもオスのみが水の上で行います。卵を産んだメスは巣を離れ、次の繁殖相手を探します。

ザトウクジラ/東京都・小笠原

撮影地の小笠原は、ザトウクジラの大事な繁殖地域の1つです。捕鯨船の補給基地として開拓・定住が始まった歴史もあり、クジラと密接な関係にあります。商業捕鯨全面禁止後の1989年、日本で初めてホエールウォッチングが行われました。ザトウクジラの来遊期間が毎年12月から5月です。子育てをする様子やアクティブな行動を見ることができます。

トチノキ/鳥取県

トチノキは北海道西南部から九州地方それに中国地方の山地の渓流沿いに分布しています。落葉性の高木で、水気を好み、適度に湿気のある肥沃な土壌で育ちます。初夏は花の季節、一目でトチノキのものと分かり4つある白色の花弁は基部中央が淡い紅色になります。幹は直径1mをこえる大木となり加工しやすいため昭和中期以降、一枚板のテーブルやお盆などに使用されることが多いです。乱伐が原因で産出量が減り銘木級の高価な木材となっています。