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金髪“ひょっこり”男の動機は?通報42件相次ぐ

社会

 10日に送検された「ひょっこり男」こと成島明彦容疑者(36)。危険な運転を目撃していた人は「一歩間違ったら大事故になっていた」と恐怖を語りました。

■金髪姿で「ひょっこり」なぜ再び?

 繰り返された危険運転の動機はどこにあるのでしょうか。少しうなだれながらも前を見据える男。いわゆる“ひょっこり運転”をした疑いで逮捕された成島容疑者です。

 千葉県内で相次ぐ危険運転と関連はあるのでしょうか…。

 成島容疑者の乗っていた自転車が公開されました。一般的なかご付きの自転車。服装は黒いコートにヘッドホン。そして、サングラスを掛けています。

 同一人物かは分かっていませんが、ドライブレコーダーには黒いコートに首にヘッドホン。サングラスをした人物の危険な運転が撮られていました。

 事件が動いたのは9日のこと。現場は柏警察署の目の前です。成島容疑者は、この道路で車の運転を妨害した疑いで逮捕されました。

市民
「4人くらいで来ていた。多分、警察の人だと思う。(午前)7時半から8時くらいの間。結構呼んでいたと思うが、なかなか出てこなかった。『起きて』と言っていた」

■「ひょっこり男」目撃者語る恐怖

 周辺では危険な運転が相次いで目撃されていました。

市民
「私自身も1回だけ。家族で散歩している時に近くの道路で見たことある。妻と危ないねという話をしていた」
「金髪のサングラスにスーツみたいというか、黒い洋服着ていた。一歩間違えれば大事故になっていた」
「蛇行している感じでスピードは出していた。結構、夜遅い時間に見掛けたことがある」

 容疑者の自宅から7キロ圏内では、今年に入って3カ所で危険な運転が撮影されていました。今年1月には隣接する我孫子市内で、さらに2月に我孫子市で撮られた映像。

 そして、1カ月ほど前にも柏市内で同様の映像が撮られています。実際に同じ道路を走ってみました。

 左車線を走る自転車は対向車が来ると反対車線へ。次々やってくる対向車に向かっていきます。赤信号を無視して交差点へ進入。去っていきました。

■地元タクシー運転手も“恐怖”

 柏市周辺では今年だけでも42件の通報があり、目撃者も相次ぎます。

タクシー運転手
「先月あった。ここから先の6号から入る所でひょこっと出るわけ。ひょこっと出ると普通だったら、プって鳴らすと端どくじゃん。どかないのよ、ぐるぐる回るから危ない」

 タクシー会社でも情報は共有されていました。

タクシー運転手
「そういう際には車間を取って、ある程度、安全なスピードですぐに停車できるような形で運転するようにと(社内の)話になった」

■もし車と衝突したら 責任は?

 成島容疑者は“ひょっこり運転”での逮捕は初めてではありません。成島容疑者は4年前、同様の危険な運転をしたとして逮捕され、実刑判決を受けて刑に服していました。

 4年前に埼玉県桶川市で撮られた映像。当時の自転車は少し違いますが、やっていることは同じです。

近隣住民
「桶川のひょっこりはん」

 テレビ朝日のカメラが直撃しています。無言で歩き去る成島容疑者は金髪にガラケーで、ヘッドホンは黒です。4年前にも埼玉県で同様の“ひょっこり運転”をしたとして逮捕されています。

 翌年、懲役8カ月と罰金20万円の実刑判決を受けて刑に服していました。

成島容疑者の供述(2020年10月)
「車の運転手のマナーが悪いので注意を促した」

 当時、自転車による「あおり運転」容疑では全国で初めての逮捕となりました。

判決文から
「重大な交通事故を引き起こしかねない危険で悪質な犯行である。犯行の動機は自動車の運転者に嫌がらせをすることによる快感を味わいたいなどというもので、身勝手極まりない」

 当時、厳罰化された自転車の主なあおり運転は逆走や幅寄せ。進路変更や急ブレーキも対象となります。仮に事故になった場合、車との過失割合はどうなるのでしょうか。

アトム法律事務所 松井浩一郎弁護士
「基本的にあおり運転という事実が認められれば、過失割合は10(自転車):0(車)というのが通常。要は車に非はないことになる。ドライブレコーダーが普及したことで、明らかになる客観的証拠が加わったことが大きくて映像を見ることで明らかにこっちが悪いと」

 成島容疑者は容疑を否認。警察は相次いで目撃されている危険運転との関連を調べています。