広島ホームテレビ

「安倍外交知っている俺が…」“もしトラ”見据え関係構築へ 麻生氏トランプ氏と会談

政治

自民党の麻生太郎副総裁が、アメリカ・ニューヨークでトランプ前大統領と会談しました。わずか2週間前には、岸田総理が、大統領選でトランプ氏と戦うバイデン大統領から国賓待遇のもてなしを受けたばかりです。“もしトラ”への布石はうまくいったのでしょうか。


■「安倍外交知っている俺が…」

今回の訪米について、麻生氏は周囲にこう語っていました。

自民党 麻生太郎副総裁
「安倍外交を知っている俺がやるしかない」

車でトランプタワーに乗り付けた麻生氏。入り口で待っていたトランプ氏は、集まったメディアにこう話しました。

トランプ前大統領
「日本からお友達が大勢来ていますよ」

麻生太郎副総裁
「まいったね」

トランプ前大統領
「国外でも評価の高い麻生氏とは、親友のシンゾウを通じて知り合った。大好きだったシンゾウは偉大な男だった。これから日米関係などいろいろ話し合う」

トランプ氏の陣営によると、2人は日米同盟の重要性や、中国と北朝鮮がもたらす課題について議論したといいます。


■“もしトラ”見据え…関係構築へ

麻生氏の狙いは、トランプ氏が大統領に再選した場合、いわゆる“もしトラ”に備えての関係構築です。なぜその役目が麻生氏なのか。トランプ氏側から白羽の矢が立ったといいます。

麻生氏の関係者
「『シンゾウがいない今、誰を押さえておけば日本と交渉できるのか』ということをトランプサイドも模索していた」

安倍政権下で、副総理としてトランプ氏と会っていた麻生氏。去年の年末から面会を模索するも、1月に訪米した際は会うことができずに帰国しました。

トランプ氏にとっては、選挙戦略としても今、会うことにメリットがありそうです。トランプ氏は先月から、ポーランドやハンガリーの首脳、イギリスの外相と会談しています。

アメリカメディアによると、トランプ氏の陣営は、バイデン大統領の外交での不人気をチャンスとみて、各国に外交使節の訪問を呼び掛けているといいます。


■外交として非礼?政府の説明は

国会では…。

立憲民主党 小熊慎司衆院議員
「今回の麻生氏との会談は、バイデン政権から『下品で全くダメだ』と言われている」

上川陽子外務大臣
「政府として関与していない、個人の立場としての活動についてコメントは差し控える」

ただ、ある総理周辺では「つながりが重層的になるのはいいことだ」と歓迎する声も上がっています。