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切迫する病床…県北の病院の切実な声 広島

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新型コロナ感染者の対応により、県北の病院ではコロナ以外の一般診療に影響が出始めています。

クラスターの発生が原因の病院もありますが、それ以外にも意外な理由が。県北の病院の切実な声を聞きました。

1月にクラスターが発生した市立三次中央病院。1月31日から、救急・産婦人科・小児科をのぞき、予約無しの外来診療を原則中止しています。

市立三次中央病院 永澤昌病院長「1月28日に発熱者に対して行った検査で陽性がはじめて出たので、ビックリしたところです。これはいけないというと
ころで関係のある方同じ部屋の方とかケアに関わった職員を調べたら、これは広がっているなということがわかりました。感染をこれ以上広げないためには一旦診療を止めるべきだと判断しました」

2月2日までに陽性が確認されたのは入院患者28人と職員15人、合計43人。

市立三次中央病院 永澤昌病院長「職員は病院の中でも処置をするたびに消毒していても感染した訳ですから、非常に感染力が強いと思っていただきたい」

現在、感染した入院患者はコロナ専用病棟で治療を行っています。

外来診療の再開は2月4日の状態をみて判断する予定です。

市立三次中央病院 永澤昌病院長「今を乗り切れば、また日常の生活が待っている。信じて一緒に頑張らせてもらえたら」

一方、クラスターではないものの切迫した状況となっている病院もありました。

安芸高田市のJA吉田総合病院。

「熱は今何度ですか?すぐに解熱剤を飲まれたんですかね、最近2週間以内にどこかへ行かれたことはありますか?」

現在、発熱外来を受診する人は1日に20人ほど。医師は防護服を着て、フェイスシールドを装着。ドライブスルー検査も行っています。

「ちょっと鼻だけ(マスクを)ずらして」

1日あたりの陽性者は1人から4人。陽性率は決して低くはないといいます。

去年、安芸高田市内のコロナ患者に対応するために専用病床を作った「JA吉田総合病院」。

しかし切迫している理由は地元の患者の増加だけではありませんでした。

JA吉田総合病院 石飛朋和診療部長「実際にコロナ患者が県内に増え始めると、広島市内からどんどん入院患者がくるという感じです。昨日までのデータになりますけど、広島市内67パーセント、安芸高田市は17パーセント。安芸太田町や府中町など、多くの市町からコロナ患者を引き受けている」

実はコロナ病床の大半は広島市からの患者だというのです。

JA吉田総合病院 石飛朋和診療部長「中等症以上も一定数いるので、場合によっては呼吸苦があったりとか酸素投与している方もいます」

取材中にも電話がかかってきました。

石飛朋和診療部長「酸素は何リットル?2リットル?一応、中等症1という事で」

入院患者についての連絡でした。

石飛朋和診療部長「この方は発熱があるかたで、ベースに心不全がある。他の病院に入院されていたんですけどコロナを発症して当院に転院された広島市の方です。この方は酸素を必要とされるので救急車で搬送されました。通常医療を継続したいという思いはあります。ただ、報道されていますように近隣の病院の診療が遅れているということがあります。そうなると日常の診療にもさしつかえが出てくるかもしれないというのをこの数日感じるところではあります」

日に日に減る病床数。通常医療への危機感が高まっています。