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ワクチン接種へ準備加速 広島

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15日、広島県神石高原町の診療所で行われたのは新型コロナワクチンの集団接種シミュレーションです。
住民など約40人が参加し、4月に始まる予定の高齢者へのワクチン接種に向けての流れを確認しました。
シミュレーションでは受付からワクチン接種までを1人3分以内に済ますことを目標に態勢などの課題を洗い出します。

都築亮輔記者リポート「ワクチンを接種したあとは、少し離れたこの部屋で副反応がでないか15分から30分ほど待機するということです」

他にもワクチン接種に来た人に発熱があったり、接種後に急変した場合などイレギュラーな事態にも対応できるよう訓練も行われました。

神石高原町保健福祉課 松井和寛課長「ワクチン接種の問診のところで大きく時間がかかっているようなところが見受けられました。3分の想定から5倍ぐらいかかっているので大幅な見直しをする必要がある」

またこちらの診療所ではワクチン接種開始に向けこんな工夫を…。

神石へき地診療所 鈴木強院長「これ(冷凍庫)は去年ワクチンが製造されている段階で、たぶんファイザー社が一番先に日本に(入る)ようになったら絶対いるでしょ」

神石高原町には来月末までに2台のワクチン用冷凍庫が届く予定です。
しかし場所によっては高齢者が遠くの病院まで行かないといけないため、地域の診療所でも対応できるように冷凍庫を購入したということです。

神石へき地診療所 鈴木強院長「一番近くと言っても20km病院が離れているわけだし、その都度溶かしてすぐできように」

神石高原町ではこの診療所を含む4カ所で、3月から医療従事者、4月から高齢者向けの接種と順次行われる予定。スムーズな接種に繋がるよう引き続き準備を進めていきたいとしています。

宗政陽介リポート「新型コロナウイルスのワクチンが届くこちらの施設では接種に向けた準備が進められています」

高齢者らに先立って行われる医療従事者へのワクチンの先行接種。
大竹市の広島西医療センターでは約500人の医師や看護師が接種を希望しています。
先行接種の対象は国立病院機構など全国100の医療機関ですが予防以外の意味合いも含まれています。

広島西医療センター 奥谷卓也院長「先行接種は調査研究が入っているので、臨床研究のための同意書とか説明同意や『服薬してないか』とか『ほかの病気にかかっていないか』など調査研究に入る同意と説明をさせていただくと」

国内では新型コロナウイルスのワクチン接種の実例がないため、先行接種を受ける医療従事者はあらかじめ同意書に署名し、副反応がないかなど接種から約8週間は日誌を書くことが定められています。

広島西医療センター 奥谷卓也院長「(先行接種は)65歳以上一般市民向けの接種の大きなシミュレーションだと考えているので、ここで問題点を見つけて改善していく」

先行接種で得られたデータは今後行われる一般接種に向けて情報公開されるということです。