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「6.29豪雨災害」から21年…「災害の記憶」を住民が映像化 広島市

広島防災・災害

32人が亡くなった「6.29豪雨災害」からまもなく21年です。災害の記憶が薄まるなかで、当時の記録を残そうと住民たちによる動画制作が行われています。

10人が犠牲となり61棟の住宅が全半壊の被害を受けた佐伯区の河内地区。去年、災害から20年を迎えたことをきっかけに災害の記憶の風化を防ごうと、自主防災会を中心に動画製作が始まりました。被災直後の映像や避難の様子など当時の映像を集め、被害にあった住民にインタビューをしています。製作した動画は53分になりました。当時は話すことができなかったことも時間を置いたことで、話せるようになったこともあるということです。自治防災会の杉田会長は「どこを使わせてもらおうか非常に苦労しました。残しておきたいシーンが多いんですよね」と話していました。1年をかけてほぼ完成しましたが、新型コロナウイルスの感染拡大で、住民へのお披露目が延期になったことから、追加や修正をするところがないか動画をチェックしているということです。新型コロナの影響はそれだけでなく、県内でいち早く導入した避難の順序を決めた「防災タイムライン」も3密を避けるため変更を余儀なくされ、避難所の設置などにも影響が出ているといいます。さらに河内地区では、毎年6月下旬に追悼式を行っていましたが、新型コロナの影響で式典を11月に延期。27日の午後から慰霊碑の前にテントを設置してそれぞれのタイミングで犠牲者をおもう場所として、29日の夜まで開設するということです。20年前の教訓を次の世代へ、災害での被害を減らそうと、住民自ら行動しています。