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コロナで患者減 経営危機の歯科も 広島

広島

新型コロナウイルス感染拡大の影響で県内9割近くの歯科医院の患者数が減っていたことがわかりました。

東広島市にあるにしはら歯科。4月と5月の患者数は去年の同じ時期と比べ約300人減りました。

県内では新たな感染者が確認されなくなり8割ほどの患者が訪れるようになりましたが、現在も経営の不安を抱えたままです。

にしはら歯科・西原泰医師「第2波・第3波となると(今後は)ちょっとわからないですね。やっていけるかどうか…」

この歯科医院では診療に必要なマスクやグローブなどの医療物資が今も不足していて、一時は価格も高騰。4月の購入費用は17倍に膨れ上がったといいます。

医院にはサイズのあわないグローブもあって、品不足の中それを使うしかありません。

にしはら歯科・西原泰医師「指先のフィット感が悪いのでちょっと困る」

広島県保険医協会が歯科医院を対象にアンケート調査したところ、89.8%が患者が減ったと回答しています。

広島県保険医協会・川上寛さん「経営でも危機に瀕しているということが一番わかったこと。このコロナ禍で経営の問題、先行き不安というのが明確に出た」

患者数の大幅な減少は新型コロナウイルス感染拡大の影響などで受診を控えたことが原因とみられます。

ただこの「受診控え」には患者側にも大きな落とし穴が・・・。

にしはら歯科・西原泰医師「ばい菌の塊がちぎれて血管の中に流れていく。細い血管の中で詰まる。それが脳にいけば脳梗塞。心臓にいけば心臓の血管を詰まらせてしまう」

過剰に受診を控えると歯だけでなく全身疾患の悪化を招くと医師は指摘します。
広島県保険医協会では国に対して歯科医院への助成金や融資などの対策を求めています。