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休業事業者の救いの手「助成金」に行列 GWも休めない経営者たちの悲痛の声 広島

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新型コロナウイルスで休業を続けている事業者の救いの手となる「助成金」。申請の難しさでゴールデンウィークになっても全く休めない経営者たちの悲痛の声を聞きました。


建物の中にできた行列、密を防ぐように等間隔に座って、待つ人たちのたどり着く先は「雇用調整助成金」の受付窓口でした。
飲食店など新型コロナウイルスの影響で苦しむ企業から相談が急増している「雇用調整助成金」。コロナウイルスの影響を受けたすべての事業者が対象で、従業員の雇用を守るための休業手当が最大で全額補償される制度。


しかし、その手続きは複雑ー。初めて来る人たちは不安を隠しきれません。電話相談も受け付けていますがオンライン申請は行うことができず実際に労働局などに足を運ぶしかありません。そのため、窓口の前には、4月中旬以降、連日、行列ができていました。


広島労働局 職業対策課の三島浩徳課長は「(きのうの)受付簿です1枚で15社の企業の方お待ちしておりました。合計124社」と話します。労働局への4月の相談件数は、先月の6倍にあたる6200件余り。


窓口のブースも3密を防ぐため4ブースから12ブースに増やし対応。他部署から職員の応援も来ている状況ですがー。「雇用調整助成金」の申請には「従業員の名簿」や「休業対象期間の給与明細」のほか「売り上げの減少を証明するもの」などが必要で、申請に至ったのはわずか37件。


飲食店を営む男性も書類をそろえることに苦労したといいます。「(多くの書類が)ありますね めちゃくちゃめんどくさい。個人でやろうと思ったらなかなかの手間がかかる」と話します。


歯科医院の経営者は「ただ書類が多すぎて面食らってしまう。(仕事もあるので)スタッフがいなかったら難しい」と話していました。


多くの書類を提出し、申請が終わっても支給されるまではおよそ1カ月かかるといいますが、広島労働局 職業対策課の三島浩徳課長は「速やかな支給が大前提ですので、3週間で支給できたり2週間で支給できたりを目指している」と話します。


労働局によりますと、今月から申請が増加するとみられていて、密を防ぐために郵送でも書類を受け付けていると呼びかけています。