ロシアのラブロフ外相が、国営メディアの取材に「台湾有事が起きた際には中国を支援する」との姿勢を示しました。台湾をめぐる情勢が緊迫化する一方で、トランプ大統領は「中国との関係は良好」だと強調しています。果たして、トランプ大統領の本音とは…。
■ロシア“台湾有事で中国支援”の姿勢
今月2日、モスクワで会談した中国の王毅外相から「日本の極右勢力が地域の平和と安定を破壊し、再軍備化を企てる挑発行為を断固として阻止しなければならない」と協力を呼びかけられていたロシアのラブロフ外相。公開されたタス通信のインタビューで“台湾有事の際には中国を支援する”との姿勢を示しました。
(ラブロフ外相)「ロシアは台湾を『中国の不可分の一部』と認識していて、どんな形であろうとも台湾の独立に反対する。我々は、台湾問題は中国の内政問題であると認識している。」
また「日本は軍事化を加速させる方向に舵を切り始めた」「地域情勢に悪影響を及ぼすのは明らかだ」などと述べ、日本をけん制しています。
■米報告書「中国は台湾侵攻へ前進」
アメリカの国防総省は23日に公表した報告書で、中国が2027年までの台湾侵攻での勝利に向けて、着実に進展していると指摘しています。
報告書では、中国軍がモンゴルとの国境近くの発射場にアメリカ本土を射程に収める大陸間弾道ミサイルを100基以上配備した可能性が高いと指摘。
さらに、航続距離8500kmを誇る偵察・攻撃型無人機を去年初公開したなどとして、警戒感を示しています。
■中国の海軍力“米国超え”も…真意は
実は、アメリカのインド太平洋軍によると、1999年の段階で中国とアメリカの軍事力は拮抗していましたが…
2021年には、中国の戦闘機や爆撃機の数が飛躍的に増加。空母や強襲揚陸艦も保有し、海軍力でもアメリカを凌駕します。2025年には、その差がさらに広がると分析していました。
その中国に対抗するためか、“アメリカ史上最大の戦艦”を建造すると22日に発表したトランプ大統領。会見ではこうも述べています。
Q.任務は中国への対抗策ですか?
(トランプ大統領)「あらゆる敵への対抗策だ。中国だけではない。アメリカと中国の関係は良好だ」
12月28日『有働Times』より