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朝晩冷え込み…おでんの季節 知ってますか?ご当地おでん

社会

 全国各地で味や食べ方が違う「ご当地おでん」を紹介します。

■静岡おでん定番“ロマンス”?

 朝晩の冷え込みが強まるなか、食べたくなるのが温かい「おでん」です。

 東京・砂町銀座商店街の“おでん種”専門店は大盛況。

60代の人
「涼しくなってきたので、昼に温かいものを食べようと」

 不動の人気はだしがたっぷりしみ込んだ「ダイコン」。「たまご」も外せません。

70代の人
「ここ来ると結構、買っちゃう。ダイコン、ジャガイモ、つみれ」

80代の人
「(Q.おでん好きですか?)大好き。味が良いの、ここの。はんぺんが好きだね」

 皆さん、好きなおでんはそれぞれ…。

 全国には、その土地ならではのご当地おでんがあり、練り製品の食品メーカー「紀文」によりますと、その数は29種類にも上るそうです。

 一体、どんなご当地おでんがあるのでしょうか。

 まずは中部エリア。都内にある静岡県料理の専門店。

 真っ黒な汁の中には、おでん種がぎっしり。

 醤油ベースのだし汁に、時間をかけてじっくり煮込んだ「牛すじ」。

 サバやイワシなどをすりつぶした「黒はんぺん」は“静岡おでん”の定番です。

静岡のおいしいものガッツ 市川徳二代表
「(Q.なぜ白いはんぺんではない?)逆に黒いはんぺんは普通なので、白いはんぺん何ですか?って質問を返したいぐらい」

 イワシやカツオの粉などで作られた「だし粉」をかけるのも“静岡流”。

 さらに、こんなおでん種も…。

静岡のおいしいものガッツ 市川徳二代表
「こちらがロマンス。白身魚のすり身を板状にして焼いたもの」

 気になるのが、その名前ですが…。

静岡のおいしいものガッツ 市川徳二代表
「静岡のおでん屋さんで、おかみさんに入れ込んだお客様が毎回来て、毎回注文して食べてて、ロマンスという名前が付いたという逸話がある」

■トロトロ絶品 鹿児島定番は?

 続いて九州エリア、鹿児島県のおでんです。

 都内で鹿児島おでんをデリバリーする会社が太鼓判を押すのが…。

 主役は時間をかけてじっくり煮込んだトロトロの「豚の軟骨」です。

 麦味噌で味付けした甘めの汁が絶妙に絡み合います。

トグトグッド 中島健代表
「(鹿児島では)どの家庭でもよく使う豚の軟骨を約8時間煮込む」

■青森定番つけダレ“生姜みそ”

 東京・神田にある青森料理専門店。津軽三味線を聴きながら、舌つづみを打つお客さん。

東京出身の人
「待って、本当にこれすごい。だしが!」

 皆さん大絶賛するのが「青森おでん」です。

 だしがしみ込んだ「ホタテ」や地元でよく食べられるという「根曲がり竹」。

 さらに、つけダレにも特徴が。みそ、みりん、砂糖などにすりおろした生姜を加えた「しょうが味噌」です。

東京出身の人
「うま味が、しょうがの香りも強くていいですね」

青森出身の人
「おでんはしょうが味噌しか食べない。津軽は」

 しょうが味噌は青森県ならではの理由がありました。

跳人 神田本店 小野幸春店主
「昔、青森と函館が青函連絡船で結ばれてたころ、乗船客の体を温めてあげたいと考案されたと聞いている。しょうがは体を温める効果がある」

 ご当地おでんには、その土地で暮らす人々のあたたかさが詰まっていました。