広島ホームテレビ

放送番組審議会

第361回

開催日:平成18年9月13日(水)
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
【課題番組】

テレメンタリー2006

『悲劇は大和だけではない~第2艦隊 最後の別れを告げに…~

放送:平成18年7月1日(土)深夜2:05~2:35
制作:広島ホームテレビ

☆委員長・副委員長選出
☆平成18年度『PROGRESS賞』最終選考について
☆放送番組全般について
☆苦情・意見等の概要について
☆その他(10月改編)
課題番組について

映画「男たちの大和」は大ヒットしました。呉市の大和ミュージアムも好調で大和ブームを巻き起こしています。“大和”最後の出撃は、巡洋艦・駆逐艦「矢矧」「浜風」「礒風」「初霜」「朝霜」「霞」「雪風」「冬月」「涼月」  計9隻と一緒に出撃したことはあまり知られていません。「“大和”だけが注目されるのは不満だ」と話す巡洋艦・駆逐艦の生還者・遺族たち。今回、生還者・遺族たちは沈没現場へ慰霊の旅に出掛けました。参加者は、ほとんどが80歳以上のため、これが最後の慰霊の旅となることでしょう。番組は慰霊の旅に同行し、戦没者の命に、決して優劣はないと語った生存者・遺族たちを追いました。

合評での意見
  • 大和ブームの中、大和と一緒に出撃をした巡洋艦・駆逐艦計9隻のことは知らない人が多い。今回テーマにしたことは、事実を記録に残すテレビの役割として大きな功績があった。これからも地元局として広島の事実を忠実に残すことに取り組んでほしい。
  • 何故、大和は最後の出撃をしたのか、何故、大和の出撃に計9隻の巡洋艦・駆逐艦は集められたのか、事実の解明をしてほしかった。
  • 大和の生還者や遺族と巡洋艦・駆逐艦計9隻の生還者や遺族とでは悲劇の感情が違うように思われる。また、生還者と遺族の間にも温度差があるようだ。そのあたりを捉えればもっと番組に深みが出たであろう。
  • ナレーターの林隆三さんは重厚感があり映像によく合っていた。
  • 巡洋艦・駆逐艦の名前は俳句の季語。この時代の文化の高さを感じさせられたが、全く触れられていなかった。少しでも触れていれば、番組の価値を上げることができたであろう。
  • 記憶に残る感動を与えてくれたドキュメンタリー番組だった。
  • 戦争を知らない世代が今後どのように引き継いていくべきなのか、明確に取り上げていれば平和運動としての広がりが出た。
  • 細かい配慮に欠け、雑な編集がされていることが残念だ。