♠ Episode20｢我慢する女｣

お賽銭を投げ､必死に彼氏を求める女､美郷｡
｢世間の男はどこみてほっつき歩いとるんじゃぁ～～～～！！｣

なぜ彼女に恋人ができないのか｡親友のハルカは言う｡
｢やっぱ､その元ヤン気質が原因じゃない？｣
美郷の口調は常にキレ気味､昭和の匂い漂う強烈な広島弁｡好きな映画は｢仁義なき戦い｣｡
こういった素性を隠さないと､あんたには彼氏できないとハルカは諭す｡
そこへ､自動車修理工場で働く佐藤と睦夫が一緒に飲もうと声をかける｡
美郷は､睦夫の顔がどストライク！！これは神様のご利益と､後日会う約束をする｡

しかし､いざデートすると､行きたいパスタ屋が臨時休業でキレる睦夫｡
ネットカフェで､自分にだけ明かりを求める睦夫｡

彼のこれらの言動に､美郷の本性であるヤンキー気質が顔を覗かせようとするが美郷は我慢我慢と自分に言い聞かせる｡

だが､ラーメン屋で食事をした時のこと｡睦夫はさっさと食べ終わり､美郷を残して店外へ｡
挙句の果てには一人で車に乗り込む始末｡
｢方向を変えようかと思って・・・｣
この睦夫の態度に美郷の心の声は爆発する｡
｢方向変えんならぁ､一言言わんかぁいっ！！
こんなんが続くようじゃ､もう我慢できんっ！！マジぶち殺したろかいっ！！｣
一方で､仕事のストレスがたまっているのではと､なだめるもう一人の自分｡
天使と悪魔の声で揺れる美郷が選んだ結論は・・・｡

睦夫の度重なる自己中心的な態度に､美郷の我慢も限界に｡
しかし､怒ることで元ヤン気質もバレてしまう｡
天使と悪魔の声で揺れる美郷が選んだ結論は･･･｡

>>A:キレる

｢方向変えんならぁ､一言声くらいかけんかぁいっ！！
こんなんが続くようじゃ､もう我慢できんっ！！ マジぶち殺したろかいっ！！｣
美郷の豹変ぶりに驚く睦夫､しかし美郷は我に返り
｢な〜んて､キレられたらどーする？｣
と､その場を冗談で済ましてしまった｡

2人は食事に出かける｡
｢...クリスマスとか何しとる？｣と､美郷の問いかけに､もしかしたら休みかもと睦夫は答える｡
24日に会う約束をし､この日は別れた｡
美郷は睦夫が好きそうなワインをプレゼントに購入｡ついにその日がやってくる｡

｢ごめん｡今日､急に仕事入って｡それまでしか一緒におれん｣
睦夫の突然の言葉に､戸惑う美郷｡しかも､睦夫が連れてきた先は家電量販店｡
おもむろにマッサージ機にもたれかかり､睦夫は1人で癒やされ始めた｡
｢マジか､これはマジか｡クリスマス・イブに女放っておいて､本気でマッサージぃ？｣

それから2人はお茶を飲みに行くが､店内は満席でテラス席しか空いていない｡
睦夫は｢いいですよ｡｣と美郷を寒空の下へと連れて行く｡
｢もうブチ切れるとかそーいうレベルじゃない｡これは完全に脈なし｡｣
一方で､仕事で疲れているのではと､万に一つの可能性を信じようとするもう一人の自分｡

美郷が選んだ選択は...？

｢もうブチ切れるとかそーいうレベルじゃない｡これは完全に脈なし｡｣
そう悟った美郷だが､やはりまだ睦夫を信じたい気持ちもあった｡そこで美郷が選んだ選択は・・・｡

>>B:キレる

｢イブにこんな寒いとこずっとおらせて｡どういう了見しとんじゃ､おう！こちとら女子じゃ｡舐めとったら､承知せんぞぉ！｣
突然のブチ切れに驚く睦夫｡そして震える体・・・｡
｢・・・これが本当の美郷？たまらん｡そういう口調は興奮する・・・｡｣
なんと睦夫はドM体質で､ヤンキー口調の美郷の罵声に喜びを感じていたのだ｡

そして睦夫は､これまで美郷に秘密にしていたことを正直に話す｡
｢実は...俺､結婚しとる｣
家庭内別居状態､おまけにドMのことは誰にも言えない｡
そのストレスに苦しんでいたという｡そこに､美郷の口調で目覚めた睦夫は､自分に正直に生きることを選択した｡
｢話はわかったけど､わたしは帰る｡これ以上､あんたの人生にかかわりたくないし｣
呆れた美郷は､睦夫に別れを告げた｡

後日､友人のハルカに言われた言葉が美郷の脳裏に引っかかる｡
｢本質的にはSとMでお似合いなんじゃないの？｣
しかし､結婚を隠していた男と付き合うなんてありえない｡
そう思っていたが､何故か睦夫との思い出がフラッシュバックしていく｡
そこへ､睦夫からのメッセージが｡
｢妻と別れ､正直に生きることにした｡｣

1ヶ月後､睦夫の職場にふらりと現れた美郷｡
｢わたしも嘘ついてたわけやし｡よー考えたらアイコかなって｡
これからはお互いカッコつけんと､ありのままで生きてく｡じゃろ？｣

｢もうブチ切れるとかそーいうレベルじゃない｡これは完全に脈なし｡｣
そう悟った美郷だが､やはりまだ睦夫を信じたい気持ちもあった｡
そこで美郷が先週とは違う選択をしていたら・・・

>>A:やはり我慢する

｢これクリスマスプレゼント｣
美郷は怒りを堪え､用意していたクリスマスプレゼントを睦夫に渡した｡
すると睦夫からも､お返しのプレゼントが｡
｢ごめん､仕事行かなきゃ｡あとであけて｣
そう言葉を残し､睦夫は仕事へと向かった｡

イブの夜に一人放り出された美郷｡
睦夫のプレゼントを開けると｢いつかティファニーで朝食を｣の漫画全巻が｡
いや､映画の方だったけど・・・まあ覚えてくれていたのか｡
そしてメッセージカードには
｢好きです｡もし俺で良ければ付き合って欲しい｡｣
との告白文が書いてあった｡

めでたく付き合うことになった2人｡
しかし､誕生日にも一緒に過ごせないなど､睦夫に振り回される美郷｡
貰ったプレゼントは飲めない焼酎｡そして､睦夫からの連絡は突然途切れた｡

ある日､スマホに睦夫からメッセージが｡
｢美里は何も悪くない｡別れよう｡｣
美郷の漢字を間違えているし・・・怪しい｡
直感が働いた美郷は､睦夫の家に勝手に入っていく｡
そこにいたのは､妻のカオリだった｡
｢おどれは､わしの字､間違えんもんな？
浮気がバレて､嫁か彼女か知らんけど､お別れメール打たれて｡情けないのぉ｣
土下座する2人に対し､美郷は怒りのままに手に持っていた焼酎を床で叩き割った｡
｢神輿が勝手に歩ける言うなら歩いてみいや｡これからはおとなしく生きんかい｡｣
美郷は不敵な笑みを浮かべ､その場から立ち去った｡