♠ Episode15｢揺れる女｣

カフェでアルバイトをするかおりには夢がある｡
｢私は､将来自分でカフェを持つのが夢！｣
そのための資金集めとして､夜はキャバクラ勤めと､昼夜を問わず仕事に励んでいた｡

かおりは､高校の時から付き合い始め､もう6年もたつ彼氏・洋輔と同棲していた｡
洋輔の優しさに惹かれて付き合ったものの､安月給なのに友達にお金を貸して､借金までする始末...｡

そんなある日､キャバクラで働く先輩みくから､彼氏が働かずパチンコばかり行くので悩んでいるとの相談を受ける｡
｢年収の低い男とか絶対無理ですよね｣
その言葉にかおりは口ごもって､
｢まあ､絶対ってわけじゃないとは思うんだけどね...｣
と答える｡
一方､NO1キャバ嬢のあおいは
｢考える余地もないわ｡マジ論外！｣
と言い放つ｡

ある日､キャバクラ店の常連､会社経営者の岡村と部下の鈴木が来店｡
岡村社長の年収が億を超えると聞き､かおりは自分の彼氏とのギャップに､ボーっとしてしまう｡
｢かおりちゃん､世の中お金でたいがいのことは解決できるもんなんだよね～｡
ってことで番号教えてよ｣
と岡村に言われ､茫然とするかおりであったが...｡
｢はぁ､分かりました｡｣と連絡先を交換してしまう｡

帰宅するも頭から岡村の収入のことが離れない｡
そして､洋輔に冷たくあたってしまう｡
｢もう､こんな生活いつまで続くのよ！｣と寝室に篭るかおり｡
すぐさま､洋輔から｢なんか､ごめん｣とLINEが入る｡
自分を抑えようと一息つくかおりの元へ岡村から
｢今日はありがとう！次の日曜日どう？｣
とメッセージが｡
｢そりゃ､お金はある方がいいに決まっているけど...
ホントにお金で解決できちゃうのかな...？
あー､もう分かんない｣

かおりが選んだ行動は...？

｢もう､こんな生活いつまで続くのよ！｣と寝室に篭るかおり｡
すぐさま､洋輔から｢なんか､ごめん｣とLINEが入る｡
自分を抑えようと一息つくかおりの元へ岡村から
｢今日はありがとう！次の日曜日どう？｣
とメッセージが｡
かおりが選んだのは...

>>B:岡村からのメッセージに返信する

OKのスタンプを送信したかおり｡｢もうどうにでもなれ｣

翌日考えすぎたせいで､体調を崩し寝込んでいるかおりは､
横で看病してくれる洋輔の姿を見ながら､もう自分の気持ちを打ち明けよう！！と決心する｡
｢あのね､洋輔｡私...将来お店やりたい｣
すると､洋輔も夢のプランを語りだす｡
｢それ最高だよ！じゃあ､かおりはカフェで僕はアパレルショップ！
それぞれのやりたいことが一緒になった2人の夢のスペースにしようよ！｣
その言葉を聞いて何か変わることに期待するかおりであった｡

ある日､キャバクラにて､みくに岡村から連絡がきたことを話していると､
横にはグラスを持ったあおいが...
｢結局､あんたも金なんでしょ？稼ぐために夜働いてるんでしょ｣
かおりが岡村から気に入られていることに嫉妬したあおいは怒りを露わにした｡

そんな中､岡村はかおりを指名する｡
｢かおりちゃんは何でキャバやってんの？｣
カフェを開きたいという思いを持つかおりにとって､ビジネスで成功している岡村のアドバイスはかなり説得力があり感心しっぱなしであった｡
そして突然､岡村から次のデートに誘われ...勢いでOKしてしまった｡

｢いきなりだけど俺と結婚しない？｣
バーでのデート中､岡村から突然プロポーズをされるかおり｡
ただ...女遊びはやめないけど､経済力はあるから夢であるカフェもオープンさせることができると話す岡村に､
｢そんないきなり...｣
かおりは動揺を隠せなかった｡

その日の夜､帰宅するかおりを待っていたのは､手作り感満載の誕生日飾りとケーキ｡
そして､洋輔の手には､安物の指輪｡
｢結婚して下さい。今すぐにでも！｣
真剣に語る洋輔であったが､かおりはすぐに答えを出せないでいた｡

次の日､洋輔は
(昨日の返事､１週間後に答えを聞かせてほしい｡あの公園で待ってます)
というメモだけ残して部屋からいなくなっていた｡

すると､岡村からも
｢１週間後に答えを聞かせてほしい！この間のレストランで｣
という内容のメッセージが｡

｢１週間後､私はどっちに行けばいいの～？｣

｢貧乏な彼氏｣｢金持ちの客｣。
２人からプロポーズを受け、一週間後にかおりが選んだのは...

>>A:洋輔のプロポーズを受ける

かおりは､洋輔の待つ公園へ向かった｡
｢もう､洋輔...急にいなくならないでよ｣
かおりは決心した｡
｢こんな想い出はお金では買えない｡私はお金のみで生きているのではないのだ｣
そして､かおりはキャバクラを辞め昼間の仕事だけを続け､洋輔も新しい仕事をすることに｡

キャバクラでの最終日､かおりの前にあおいがやってきて､
｢私は､お金のない生活なんて考えられないわ｡
人の気持ちとお金の価値どっちが永遠に変わらないと思ってるの？｣
その言葉にもはや､かおりとみくは顔を見合わせて苦笑い｡

結婚生活が始まるも､これまで2人で貯めてきた結婚資金全てを洋輔の経営の為に費やしてしまう｡
先輩が独立するから共同経営するという洋輔の情熱におされてしまったかおりであったが､数か月後先輩が詐欺で逮捕され､お金がすぐに戻ってこないといった状況に...｡

お金を稼ぐため､再びかおりはキャバクラで働くことに｡
そこで､あのNO1キャバ嬢のあおいが岡村と結婚､キャバクラを辞めお店をオープンさせることを知ってしまう｡

1年後､相変わらずかおりは昼も夜も働いている｡
生活は楽ではなく夢にも程遠いが洋輔の借金返済の見込みも立ってきて､やっとスタートラインが見えてきたところである｡

洋輔も2人でお店をオープンさせることを目標に､前向きに将来を考えているが...
またしても安易な投資にあきれるかおり｡
相変わらず...
｢それまた絶対に騙されてる～｣
とかおりに忠告されるほどマイペースな洋輔であった｡

｢貧乏な彼氏｣｢金持ちの客｣。
２人からプロポーズを受けたかおり｡もしもあの時､別の選択を選んでいたら...？

>>B:岡村のプロポーズを受ける

｢で､返事はOKでしょ？｣
自信満々な岡村を前に､洋輔に対する罪悪感を持ちながらも
｢はい｡宜しくお願いします｣
とプロポーズをうけるかおり｡
これで夢だったお店が持てる！かおりは明るい未来に希望を抱いていた｡
洋輔に別れを告げ､岡村と結婚式の準備を進めていった｡

しかし､現実はそう甘くなかった｡
結婚して夢だったカフェをオープンさせる事ができたものの...｡
｢お店ガラッガラだけど､また今月も赤字？｣
突然岡村の訪問､飛び交う厳しい言葉に黙り込んでしまうかおり｡
そこに現れたのは､かつてキャバクラで一緒に働いていたあおいであった｡
これから岡村と食事に行って同伴出勤するのだという｡
全ては儲かるかどうかだという岡村の主張に対して
｢でも...お金だけじゃないって事もあると思うの｣
と反抗するかおり｡
その姿をそばで見ていたあおいは､平手打ちをくらわし､
｢お金になびいたあなたが綺麗ごと言ってんじゃないわよ｣
と罵声を浴びせる｡
これが､夢にまで見たやりたかったお店...私選択間違っちゃったのかな｡

落ち込むかおりが帰り道をとぼとぼ歩いていると､目に飛び込んできたのは新しいアパレルのお店｡
中をのぞくと､そこでは洋輔が働いていた｡
｢遂に自分のお店を出すことができたんだよ､いい物件が見つかったからチャンスだと思ってね､まあ絶賛借金生活中じゃけどね｣
そう話す洋輔は､かおりが結婚した事も知っていた｡
｢幸せ？夢は叶った？｣
洋輔の言葉に､
｢夢は叶ったよ｡夢はね...｣
そう作り笑顔で答えるかおりであった｡