20160415_01.jpg2016年2月1日のキャンプイン。2000本まで残り29本。偉業達成がかかった特別なシーズンの始まりの日。ベテランでありながら、新井は、全選手の中で誰よりも早く球場に入った。
今年に掛ける思い、そして何歳になっても直向きに野球に取り組む新井の姿勢が表れていた。 偉大なバットマンとしての道を歩む新井。
しかしその道のりは順風満帆ではなかった。 ドラフト6位でカープに入団。当時、「なぜプロ野球選手になれたかわからない」と言われるほど評価が低かった。
それでも新井は誰にも負けない野球に取り組む姿勢で力をつけていく。 チームの4番に座り、ホームラン王を獲得。著しく評価の低かった男は、チームに愛され、ファンに愛され、球界を代表する選手にまで上り詰めた。 そして、広島出身の新井自身も、広島を愛し、カープを愛していた。「新井という選手を軸に、チームが構成されていく」、誰もがそう思っていた……。
「カープが大好きなんで辛いです。」ファンにとっては理解のできない言葉を残し、新井はFA宣言し、チームを去った。翌年、阪神のユニフォームを纏った新井に、カープファンは辛辣なブーイングを浴びせた。 2014年オフ、新井はカープに電撃復帰を果たす。そして2015年開幕。大ブーイングを浴びた男は、カープファンの大声援に迎えられた。その後の活躍は誰もが知る所である。
赤き心を胸に、チームを引っ張り、ファンに愛される、背番号25新井貴浩。 その波乱万丈、そして誰よりも野球に直向きな男の2000本への歩みを、本人、チームメイトや関係者の思いなどを交え描いていく。