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第46話 「青空の恐怖と飛行機雲の覚悟」

夏の空は、透き通るように青く、そして、その空は僕を未だに見下ろしている。

まだ僕が少年だった頃、僕は本気で、「大空を飛びたい」、と、思っていた。
芝生の丘に寝転がり、いつも見上げていた青空を、真下に見る。
それは、まるで天と地が逆転した視界を獲得するかのように、僕の目の前には青空だけが存在し、
深く吸い込まれそうな気分になる。
青空は、僕に、大きな「憧れ」を抱かせると同時に、未知なるものへの大きな「恐怖」を突き付けてきたのだ。

青空の恐怖。

それでも、僕は、恐怖に戦きながらも、青空を見上げる。
ギリシャ神話に登場する「ダイタロス」も、万能の天才である「レオナルド・ダ・ヴィンチ」も、
日本の鳥人「浮田幸吉」も、青空を見上げては、その両手を広げてきた。
そう、今も昔も、空を飛ぶ原動力は「憧れ」だったのである。
そして、様々な犠牲を支払いながらも、人類は、1903年にライト兄弟の飛行機の発明を境に、
「空の住人」となることを許されたのだ。
今では数千機もの旅客機が、同時に、この青空を飛行している。
しかし、様々な「犠牲」、そして、空への「恐怖」は、未だに消え去ることはない。
だからこそ、その思いは、「飛行機雲」として青空に傷跡を残す。

飛行機雲の覚悟。

もしからしたら、飛行機雲とは、「憧れ」へ挑む「意思表示」であると同時に、
「恐怖」へ挑む「覚悟」ではないのだろうか?
青空に残る一筋の飛行機雲を見上げる度に、僕は、「意思表示する覚悟」を突き付けられるのだ。

ある哲学者は言いました。
「恐怖は鉄下駄のようなものだ。脱いだ時には、さらに高く飛べる」、と。

新しい事に立ち向かう時、何かしらの変化を望む時、欲しいもの手に入れる時、
大切なものを失う時、自分の思いを伝える時、人は、「恐怖」を感じる。

新しい事に立ち向かった時、何かしらの変化を望んだ時、欲しいもの手に入れた時、
大切なものを失った時、自分の思いを伝えた時、人は、「覚悟」したのだ。

もしかしたら、自分自身の思いや気持ちを、とにかく「意思表示」することで、
恐怖を克服する「翼」を勝ち得ることができるのではないだろうか?

青空に伸びる凛とした白い飛行機雲。

さあ、裸足になって、青空に飛んで行こう。
だって、靴を履いている「天使」なんていないのだから。
きっと飛行機雲が憧れの空へと導いてくれるさ。

  • 11月11日生まれ
  • A型 さそり座
  • ICU 教養学部 数学専攻卒
  • 銀行員からTV業界へ転身した異色ディレクター
  • 好きな食べ物 すき焼・チョコレート・メロン
  • 好きな言葉 「移動距離とアイデアの数は比例する」
  • 将来の夢は直木賞作家
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