広島ホームテレビ

放送番組審議会

第548回

開催日:2025年7月15日(火)
【課題】
『地上波テレビとコンプライアンス~テレビの信頼回復にむけて~』
出席委員(敬称略):

小川富之、大井美恵子、井筒智彦、稲田信司、奥田亜利沙、喜多村祐輔、木村文子、東山浩幸

 

合評での意見

【番組制作・現場運用に関する意見】

  • コンプライアンスと自由な番組づくりのバランスを意識し、現場が萎縮しない環境をつくる。形式主義的な規制だけでなく、現場の創造性や挑戦を守る工夫が必要
  • 問題発生時には迅速かつ透明性を持って対応し、説明責任を果たす。視聴者や関係者に対して誠実な対応を徹底することで信頼を維持する
  • ハラスメントや差別などのリスクを事前に把握・防止するためのガイドラインや行動規範を整備する。実効性のあるルールを設け、研修や日常の指導で徹底する
  • 番組制作や報道の現場においても、多様な意見や視点を取り入れる。地域性や視聴者の多様な価値観を反映した番組づくりを心がける
  • 外部有識者や第三者のチェックを導入し、番組や報道内容の客観性・公正性を高める。内部だけでなく外部の目で評価する仕組みをつくる

 
【視聴者・社会との関係・コミュニケーション】

  • 視聴者からの意見や苦情を幅広く集め、単なる集計で終わらせず、番組改善に具体的に反映する。無記名アンケートやSNSなど多様な手段を活用し、本音を吸い上げる努力をする
  • 視聴者や社会に対して、企業や番組の取り組み・ガイドラインを積極的に公開し、透明性を高める。信頼回復のために、社会に対して説明責任を果たす姿勢を示す
  • 地域社会やスポンサー、タレントなど多様なステークホルダーの意見を尊重し、それぞれに配慮した行動規範を持つ。 「すべてのビジネスパートナー」を意識し、関係者ごとのガイドラインや説明を明確にする。
  • 信頼を損なうような情報や噂に対して、正確な情報発信と事実確認を徹底する。SNSやネットの情報が錯綜する中で、メディアとしての信頼性を守る。
  • 社会の価値観や人権意識が変化していることを踏まえ、時代に合った発信や対応を心がける。「当たり前」を見直し、変化を前向きに受け入れる柔軟性を持つ

 
【組織・経営・体制に関する意見】

  • トップや経営層が率先してコンプライアンス意識を持ち、現場に浸透させる。トップの価値観や姿勢が会社全体の風土を作るため、正しいことを貫くリーダーシップが信頼回復の出発点となる
  • 組織の理念や社会的使命を明確にし、全社員が共有する。「会社は何のためにあるのか」という原点に立ち返り、公益・社会貢献を意識した行動指針を徹底する
  • 異なる立場や多様な属性の人々と議論し、組織の価値観の多様性を確保する。同質的な集団だけでなく外部の視点も取り入れ、偏りや古い体質の温存を防ぐ
  • コンプライアンスや人権に関するガイドライン・行動規範を明文化し、定期的に見直す。時代や社会の変化に合わせて柔軟な対応ができる体制をつくる
  • 社員向けのハラスメント研修では、萎縮を生まないよう「絶対にダメなレッドライン」を明確にし、現場の判断を尊重する

以上