広島ホームテレビ

放送番組審議会

第505回

開催日:2021年4月23日(金)
【課題】
「拝啓 国会議員様 核廃絶はできますか?」(2021/1/25放送)
出席委員(敬称略):

前川功一、小川富之、大井美恵子、東山浩幸、見延典子、河合直人、藤本慎介
※石井暖子(レポート提出)

 

合評での意見

【総合批評】

  • 核兵器廃絶の道筋や可能性を国会議員の動きや発言からあぶり出すという大変意欲的な番組。
  • 核兵器禁止条約が発効されたものの日本が参加していないことは素朴な疑問として気になるが、核廃絶の難しさがうまく描かれていた。
  • カクワカの活動を取り上げる番組だと思って見ていたら、途中から国会議員に政治的立場をはっきりさせたいといった意図が働き、番組が曖昧になった感じがした。どちらかに統一して、力強い番組を作ったほうが良かった。
  • 漠然と「核の傘」「安全保障」という問題が出てきたが、実際のところどうなのかがよく分からない。カクワカの人たちも、なぜ批准できないのかがはっきりと分かっていなさそうで、何かかみ合っていないような印象。
  • カクワカがなぜこの問題を取り上げて活動しようとしているのか、もっと一人一人の背景みたいなものが知りたかった。

【批評を受けた制作側の説明】

  • 若者だけで構成すると「頑張ったね」という形で終わりがちになってしまう可能性もあったので多角的な視点からの取材を加えた。
  • 難しくなってしまうか、多少退屈になってしまうかが壁だった。対象とする視聴者が、この問題を全く知らない人か、少しは興味がある人かで作り方がだいぶ変わってくる。今後もターゲットを考えながら作っていきたい。
  • なぜ日本が批准できないのか、外務省も具体的に目に見える形で説明できないのがこの問題の根深いところ。そこが、この問題の報道量が少ないことにもつながっているのだと思う。この問題で制作された番組の前例があまりなかったので、かなり実験的なこういう形でしかできなかったが、その分からなさを乗り越えて取材は続けていきたい。
  • いろんな考え方があり、それぞれの立場の人たちをつなげていく活動だと若者たち自身が自覚して、「なんでなの?」という答えを聞くより、「そういう考え方もある」「では、こういう方法もある」「自分たちはつなげていく存在」ということになった。実際につながるという結論が出るのはいつになるか分からないが、番組制作の目標点はそこにある。

以上