広島ホームテレビ

放送番組審議会

第492回

開催日:2019年11月19日(火)
場 所:広島ホームテレビ特別会議室
【課題番組】
ドキュメント広島
横川ガード下とおやじ店主たち
~立ち退きまでの3年間~
番組について

赤提灯が揺れ、電車の音と酔っ払いたちの笑い声が響く「横川ガード下」。
JR横川駅の高架下に軒を連ねて50年以上の“昭和の飲食店街”だ。
しかし3年前、全44店の店主たちに、耐震工事のため「一斉立ち退き」が突然言い渡される。
工事は避けられない上、ガード下新店舗の大家は広島市からJRに変わるため、
家賃は4倍以上に膨れ上がる。

ガード下で商売を継続するか、ガード下を離れ移転するか。または廃業か―
店主たちは、いずれかを選択しなければならない。

 

出席委員

前川功一委員長、小川富之副委員長、大井美恵子委員、河合直人委員、藤本慎介委員、前田昭委員、見延典子委員、山平慎一郎委員

 

合評での意見
  • 横川に44店舗あって、廃業が20店舗、17が移転、存続が7店舗…。継続の酒屋さん、廃業の中華料理屋さん、対照的な2人に焦点を当てた人間ドラマがよく描かれていた。しかし、なぜ残れたのか、もう少し掘り下げた視点での番組が見たかった…。
  • 昨年9月の「消えゆくまちは何処へ」の続編だが、前作と少し雰囲気が違っていた。前作では、耐震工事の必要性と店主の営業権、賃料と町への愛着、といった葛藤がテーマにあり、深みがあった。本作は、立退きまでの経緯ダイジェスト版と閉店する店主の寂しさが見やすくまとまっていたものの、葛藤・深みは感じられなかった。
  • 広島県は、後継者不足率が全国5番目に高い…。後継者不足とか、廃業率が高い広島県の要因、解決策を深掘りしたり、検討ができる事実を記録をすることは大事で、そういう視点があってもよかった。
  • 古き良き時代の昭和の個人商店の方が、移転して事業を存続するケースと廃業を余儀なくされるコントラストをよく描いた。今後の地方都市のあり方を描いていて、視聴者がもう一度考え直す、いい機会を与えてくれる番組だった。
  • 「JRと広島市とお店の3者が、しっかり向き合って話し合いができたことが意義深かった」というインタビューがあったが、これが問題の本質だと思った。新しくなった横川に行きたいかというと正直思わない。東京に似せた町がいっぱいできてきているが、最初のうちはいいが、広島にしかないものをどう残すのか、とうのは行政の仕事だし、広島に根を張るテレビ局の大切な仕事だと思う。長く取材を続けて、耐震化に伴ったリニューアルがどういう結論になるか取材を続けてほしい。