広島ホームテレビ

放送番組審議会

第341回

開催日:平成16年9月24日(金)
場所:広島ホームテレビ 本社 特別会議室
【課題番組】

テレメンタリー2004

『誰のために戦ったのか~劣化ウラン弾にヒバクしたアメリカ兵~

放送:平成16年8月15日(日)深夜0:55~1:25
制作:広島ホームテレビ

☆第35期放送番組審議会の委員長・副委員長選出について
☆プログレス賞選考結果について
☆『秋の番組改編』について
番組について

来年原爆投下60年をむかえるヒロシマに相応しい番組として劣化ウラン弾を取り上げた。湾岸戦争以後の戦闘で大量に使われている劣化ウラン弾は、一瞬にして戦車を粉々にすると同時に放射線物質を含んだ微粒子を大気中に飛散して人体に悪影響をあたえる。イラクでは先天性異常を持つ子供の誕生が急増している。今年、イラクに派遣したアメリカ兵もヒバクしていたことがわかったため、アメリカでの取材を強行した。しかしアメリカでの取材は困難を有し、確実な証拠がないため描ききれない部分はあったと思う。

合評での意見
  • ヒラリー夫人の話、アメリカ国内の反対運動など聴きたい話がさわり程度になっていた。取材が困難であったことは理解できるが残念だ。しかし、新しい切り口の番組だったので、このまま終わらすのは勿体ない、引き続き取材を続けてほしい。
  • ナレーターもBGMも番組に相応しい。ナレーターの解説文も視聴者が理解しやすい最高の出来だった。
  • ヒロシマ発信に相応しいとてもいい番組であったが、ヒバクしたアメリカ兵を取り上げたのは、兵士の補償を訴えてたいのか、劣化ウラン弾が危険な武器であることを訴えたいのかそのあたりがはっきり伝わってこなかった。劣化ウラン弾が人体に及ぼす悪影響・恐怖を知識として広めたことに意義を評す。この番組を見て邦人人質事件で自己責任ばかりとわれていた今井さんが何故イラクに行ったのか初めて理解できた。
  • 広島は被爆医療の世界一である。平和運動家の森瀧さんのコメントを入れるのではなく、広島の被爆医療の第一人者である医師とか、研究者のコメントを入れるほうが番組にふさわしかったと思う。