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第34話 「LOVE LETTER」

A long time has passed since we have first met.

We were wrapped gently by the innocent light of the summer,
Cycled through streets of the autumn,
Felt the warmth of hands through the thick glove of the winter,
Cherry blossoms fell from the sky with my tears in spring.

Then another long time has passed since we stopped seeing each other.

Time is cold because it is equal.
Memory is cruel because it is accurate.

Even so, I have been living my life with memory of you.
Our time had stored in my brain,
and our memory had become a part of my daily life.

But, is this a fate?
We've met again.

A philosopher once said
"No one can stop the flow of reality"

Do you think our relationship would change too as the time flows?
Do you think our memory would start to fade away as new memories piled up?

It was full moon last night,
and suddenly, a scene from a film came to my mind.
It was the last scene of the film we saw together.
A man said silently in the other end of the silver screen,

"In every second of our Eternity, every portion of our infinite love may simmer down.
So embrace your loved one,
cuddle up and live your moment together.
Your two arms are meant for this - not for waving good-bye."

That's why I must tell you now,
because I can not let it slip.

I must tell you hundreds of times,
with millions of words,
with millions of expression,
because, this time, I can not say good-bye.

I must tell you my only feeling,
because I must embrace you forever...

"I love you"



第34話 「恋文」 (和訳編)



僕たちが出会ってから、いくつもの時間が流れました。

まぶしい光が二人の初々しい関係を包み込んだ夏。
二つ並んだ自転車で街中を駆け抜けた秋。
手袋の上からでも暖かさが伝わってくる冬。
桜の花びらが涙とともに散った春。

そして、僕たちが会わなくなってから、いくつもの時間がまた流れていきました。

時間は、平等であるがゆえに、冷徹である。
記憶は、正確であるがゆえに、残酷である。

それでも、僕はあなたのことが忘れられずに、毎日を過ごしている。
あなたと過ごした時間が、僕の頭の中に記憶され、
あたなと過ごした記憶が、僕の心の中で、当たり前の日常のようになっていた。

しかし、これは運命なのだろうか・・・
僕たちは、また、出会った。

ある哲学者が言いました。
「人の実相は、刻々と変わっていくものだ。」、と。

また、いくつもの時間が流れると、僕たちの関係も刻々と変わっていくのだろうか。
また、いくつもの記憶を重ねると、僕たちの思い出も刻々と色褪せてしまうのだろうか。

満月の夜、ふいに、僕たちが一緒に観た映画のワンシーンを思い出した。
ラストシーン、銀幕の向こうで、一人の男がこう語っていた。

無限分の一秒前より、無限分の一秒後には、無限分の一だけ愛情がさめているかもしれない。
だから一番肝心なのは、想う相手をいつまでも腕の中で抱きしめていることだ。
ぴたりと寄り添って完全に同じ瞬間を一緒に生きていくことだ。
二本の腕はそのためにあるのであって、決して遠くから、サヨナラの手を振るためにあるのではない。

だからこそ、僕は伝えます。
この出会いを逃さないために。

だからこそ、僕は、幾万もの言葉を使い、幾千もの表現で、何百回も伝えます。
サヨナラを言わないために。

だからこそ、たった一つの気持ちを、僕は伝えます。
あなたを抱きしめるために。

「僕はあなたを愛しています」

  • 11月11日生まれ
  • A型 さそり座
  • ICU 教養学部 数学専攻卒
  • 銀行員からTV業界へ転身した異色ディレクター
  • 好きな食べ物 すき焼・チョコレート・メロン
  • 好きな言葉 「移動距離とアイデアの数は比例する」
  • 将来の夢は直木賞作家
  • 現在、花嫁募集中

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