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【特集】日本酒文化を守る新たなお酒「浄酎」とは?

広島

澄み切るまで磨き上げられたお酒――。

日本酒にひと手間加えて生まれた、新しいお酒です。
その名も「浄酎(じょうちゅう)」。

広島県呉市三門島の酒類製造会社、ナオライが開発。
3年前から試行錯誤を重ね、ようやく試作品が完成しました。

この新たなお酒を作るために1番大切なのは、「低温浄溜」。

熱をかけずに、純粋なアルコールを抽出することができる
特許を取得した技術が使われています。

通常、日本酒を蒸留すると米焼酎になるのですが
“低温浄溜”と“ブレンド”、そして“木樽で熟成”をすることにより
「浄酎」という新たなお酒に姿を変えます。


【零細酒蔵を守る】

「浄酎」の原料となる日本酒を造っているのは、
今年で創業110年を迎えた安芸高田市の酒蔵、向原酒造。

ナオライは、広島県内の山間部にある小さな酒蔵、3カ所と提携し
原料の日本酒を仕入れています。

国税庁によると、全国の酒蔵の数は
ピークだった1955年のおよそ4千カ所から、60年あまりで半分以下に減少。

さらに製造を停止する酒蔵が年間数十カ所もあるなど
今、日本酒業界は“危機”にさらされています。

それぞれの酒蔵の個性を残したまま、浄酎にすることで
蔵で眠る在庫をなくそうという狙いです。


【日本酒文化を守りながら、浄酎を世界へ】

酒蔵で作られる日本酒の原料まで遡ると、
たどり着いたのは、無農薬の有機米。

神石高原町で生産される有機米を使うことで、
「オーガニック食材」に関心を持つ世界中の人たちのハートをつかみ
世界へ出ていこうとしています。

浄酎を作る拠点は、廃業した酒蔵。
リノベーションして利用しています。

出荷予定は来年1月末。
ナオライが開発した「浄酎」は、日本酒の新たな可能性を引き出すため
“第一歩”を踏み出します。