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披露宴で失敗する余興

投稿日: 文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹

文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹
結婚披露宴で余興を頼まれたので、何をしようかと相談を受けたことがあります。


オイラのことをエンターテイナーだと見込んでの頼みだとは思いますが


これがなかなか難しいのです。





いやはや、余興の中身なんて実に簡単なのですが


それを「伝える」のが難しいわけです。




例えば、ご自身の経験から考えてもらえれば良いのですが


結婚披露宴の余興なんて




危険極まりない時間です。







よくあるパターンが、新郎の友人が徒党を組むパターン。




「今度の結婚式で余興をやって欲しいんだけど…」


「あぁいいよ」




当然、引き受けますよね?




緊張はするけども、親友の頼みです。



でも、余興と言うのは余りにも漠然としており、


盛り上げるのなら何をしてもいいと言う自由度が


逆に新郎の友人を苦しめるのです。





そこで早速、別な友人にも助け舟を出すようになります。


ここで登場した別な友人は、新郎から直接頼まれたわけではないので


間接的な関係者となります。



直接的な責任者とは違い、随分と気分が楽です。




「余興を頼まれたんだけど、どうしたらいいと思う?」


「そんなもん、ノリだって!」




無責任発言が飛び出します。




「あいつも呼ぼう!」「こいつにもやらそう!」


重責と緊張を分散するべく、とにかく余興は参加者で膨れ上がります。



参加者から多くの意見がもらえるかと思いきや、参加者が増えると同時に


責任も分配されるので、いい加減な意見が増え、


責任者もその大多数の無責任な意見に流されてしまいます。




これは立派な思考停止ですが、誰も責められません。


「俺…サックス吹くわ」だとか「二人で漫才やらないか?」だとかの


前向きな意見は大多数になった時点で封殺され、結局、この意見に流れます。





「全員でテレビの真似しようぜ!」



そんな形で直接的に言う人は居ないでしょうが、早い話、


「皆で小島よしおの真似しよう」「皆でスギちゃんの真似しよう」


みたいなことになります。




皆でやれば怖くない。


本末転倒な解決方法で、余興の中身が





勢いだけのどんちゃん騒ぎになるわけです。




「まぁなんとかなるだろ」「ノリだってノリ」




無責任な周囲の意見に流されて


披露宴当日まで、練習らしい練習は行われません。


練習したとしても、テレビを賑わしている一発芸を


大人数でやるわけですから、まぁたかがしれてます。





そして披露宴当日。




司会者に詰め寄る新郎友人たち。



「あのぉ。俺たちの出番っていつ頃ですか?」



告げられる時間。息を呑む新郎友人たち。




そして、その余興の出番まで、彼らを支配するのは




緊張感だけです。





こうなってくると、ケーキカットも主賓の挨拶も


全く頭に入ってきません。



そして、彼らがすることはただひとつ。


余興の時間が来る間、





アルコールをガブ飲みするだけ。





ただでさえ、何の計算も無いどんちゃん騒ぎに



大量のアルコールが入って来るものだから


もう歯止めが利きません。




いよいよ余興の時間が迫ってきました。



披露宴会場のそばの便所に、ヘベレケのまま集合し、


そそくさと服を脱ぎ始めます。



その中で、顔を出すことすら恥ずかしい者は






お面を被ります。


特に多いのは馬の面。




なんでか分かりませんが、馬の面はとにかく


顔を隠したい人たちの必需品のようです。





そして、司会の合図と共に、会場へ乱入。




半裸の若者たち。中には馬の面を被った男も…。



そこからは緊張とアルコールのせいで


記憶が余りありません。



何か騒いだのは騒いだけど、何を得て、何を失ったのかは分からない。


当然、本人たちだけではなく、周りも酒が入っているので


多少なり楽しく見てくれもしますが、新郎の友人たちは事前に



もうひとつ大事な真実を知る必要がありました。



披露宴会場は…






アウェーであること。




これは全く逆の発想かもしれませんが、披露宴なんて他人同士の集まり。



赤の他人同士がグループとなり、そのグループが集まって会場に居るわけです。




余興をする彼らは、会場の一体どれほどの人たちと顔見知りなのでしょうか?


新郎の上司の方々、新婦の上司、友人、ご両家の親類縁者…。




間違いなく、誰とも面識は無く、


下手をすれば、新郎の友人は、





新婦とも顔見知りではないかもしれません。



自分たちの味方である同じグループのメンツは、


全てこの余興の参加者として駆り出しているわけで



肝心な観客として、ホームと呼べるのは新郎だけ。




これはアウェーと言っても過言ではありません。



半裸で騒ぐ酔っ払いの若者を、高砂(たかさご)から


引きつった笑いで眺める新婦。


眉をしかめる両家の親戚一同。


若者たちのから騒ぎに唖然とする甥っ子、姪っ子。


このタイミングを利用して、ビールを注ぎ合う上司たち。





さすがに騒ぐから多少は目が行きますが、彼らのどんちゃん騒ぎは



アウェーの中で行われる




悲しき自傷行為です。




成功したように見えても


本当のエンターテインメントからは、程遠いわけです。




それでは、どうしたら、良い余興となるのか?





それは、次回、実体験も交えてお話しします。


※このブログは全てフィクションです。ブログの全文はホームテレビの審査を経て掲載されています。



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