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法の番人

投稿日: 文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹

文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹


前回からの続き。




世の中には規則があって、遊びの世界こそ規則で「守られてる」



規則が崩壊すれば、遊びは破綻する。



そのパターンは数々あれど、中でも怖いのが




インフレーション。




ってとこで、前回出題した問題をざっとおさらい。






牛乳瓶のフタを集めるのが流行っていたクラスで



ある日…いや、ある瞬間に、そのブームが終わった。



それは何故か?












…答えは…。








その日の朝、ビニール袋いっぱいに




牛乳瓶のフタを持って来た生徒が居たから。






最初、周囲は驚く。どうしたんだ?それ!となる。




得意気にその子はこう言う。




「俺の父ちゃんが牛乳の卸しをしてて、色々と手に入る」




この生徒は注目を浴びようとしてお願いしたのかもしれないし、


親が自ら、我が子の為にと手渡したのかもしれないが、



どのみち、彼は彼自身の手で、そのブームを終わらせたのだ。






「なんだ。幾らでも手に入るんだ…」「何なら、特殊な方法を使って…」





あれほど、価値のあった牛乳瓶のフタがインフレーション(通貨膨張)を起こし



文字通り、なんで集めていたのか分からなくなった瞬間を迎えた。






最近では、とあるソーシャルゲームが同様の状態になった。



とてもレアなカードが、ある方法を使うと、幾らでも複製できることが発覚。



その方法も広まり、インフレーションが起こる。



ゲーム会社が、迅速な火消しに走ったが、その損害は莫大だったそうで…。






レアなカードは、膨大な課金をしても手に入らないからこそのレアだから


当然と言えば、当然なんだ。






さて、こんなものは氷山の一角。




遊びの世界における、ルールの拡大解釈、


利己的な改定により発生するインフレーションや


ゲームそのものの衰退や崩壊は、枚挙に暇(いとま)が無い。






それを守るべき存在…いわゆる法の番人が必要になる。





最も分かり易いのが警察であり、


学校で言えば生活指導の先生であり、


野球で言えば審判である。




先のソーシャルゲームに関しても、そもそも、ゲームのカードが


数十万円で取引されると言う状況を看過してきた会社側(ルールの監視役)にも


問題がないわけではないと言ってみたい気もしたりしなかったり…。





とにかく、どんなものにも「法の番人」は必要で、昔、こんなことがあった。




小学生の頃、夏休みのラジオ体操でハンコを貰うのを楽しみにしていた。


必ずコンプリートするのだと息巻いており、夏休み中に泊まりに出掛けても


その宿泊先のラジオ体操会場へ行き、ハンコをもらうほどだった。



それでも、都合よく全ての欄がハンコで埋め尽くされることはない。


飛び飛びになったラジオ体操カードを恨めしく眺めていたら


ラジオ体操の会場の隅で、ある光景に出くわした。



とある上級生が、ハンコをもらう際、





日数を遡って押してもらっていたのだ。



絶対に、ハンコはラジオ体操をしなくては押してもらえない。


しかも、押してもらえるのは当日の日にちだけのはずだ。




なのに、ハンコを押す6年生(だったのかなぁ)が、あろうことか


日数を遡り、指差されるままに、その空白へとハンコを突くではないか!



オイラも恐る恐るお願いすると、簡単に、オイラのカードの



空白が埋まった。



その逆に、オイラのコンプリート欲から来るラジオ体操熱が






空になった。






ここでもハンコのインフレーションが起きたわけだが、それ以上に


法の番人たるハンコ係が、規則を守らないでどうするんだと言うことだ。



たかが、ハンコである。


日ごろ懐かない周囲の人間がカードを持って来ては頭を下げるので


気持ち良くなってバシバシと押したのかもしれない。



でも、彼はハンコ係として、このラジオ体操レースを




最後まで守り通す義務があったのだ。




オイラも含め、群がった小学生は罰が与えられた。



モチベーションを失うと言う究極の罰を。




個人差はあるだろうが、オイラは完全にやる気を無くした。




だからこそ、ハンコ係を呪った。




そして、自分自身を呪った。





遊びの世界とて、規則の監視人は必要で、その役目を与えられた人物は


「固いこと言うなよ」「ちょっとくらいいいじゃないか」


なじられながらでも、越えてはいけない一線を越えそうな時は





職務を全うすべきなんだ!





そうしないと、ラジオ体操もゲームも全て破綻する。




せっかく盛り上がっているゲームが終わる始まりとなる。




遊びの世界において、法の番人を明確に委ねられる人は少ない。




現にオイラが野球から距離を置くきっかけになったのも



明確な法の番人がおらず、そのルールに疑問をもったからだった。




しかしながら、法の番人のみを買って出る人は少ない。




遊びの世界では、プレイヤーでありながら、審判であることが多い。





ババ抜きをしていて、右回りを左回りに変えたら、



プレイヤー全員が「オイオイオイオイ」と止めに入る。





遊びを長くエキサイトできるものにするには、


(信頼できると言う意味でも)厳格なルールと


個々のプレイヤーが、そのルールの執行人となるべきなのだ






口やかましく聞こえるかもしれないが、たかが遊びとは言え



真剣に、寛容に、そして、それ以上に厳格に



誰もがプレイヤーであると同時に、法の番人であって欲しい。







楽しく続けるために、どんなにスコアが悪くても




ゴルフボールを手で入れたりしてはダメ。ゼッタイ。









※このブログは全てフィクションです。ブログの全文はホームテレビの審査を経て掲載されています。


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