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オジサンの気持ち

投稿日: 文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹

文 : ホビーの匠 MC 中島尚樹
いよいよ30代最後の年が始まった。



まもなく39歳になり、すぐに40歳だ。




前にもここで書いたが、ここ最近は特に


オジサンの気持ちが分かる。





子供の頃は大人の真似して、爪楊枝で歯をシーシーするのが夢だった。


親父がやるように、オイラも楊枝を手に、シーシーしてみるのだが


全く楊枝が歯の隙間に入らない。



何のことはない。歯に隙間が無かった。




今はどうだろう。





楊枝が無い食後は恐怖だ。




こんなに歯茎が下がるのかって言うくらいに歯茎が下がり、



砂場で作った砂山のてっぺんに木の枝を刺して


倒さないように砂を掻き集める遊びのあの木の枝みたいに


歯が今にも倒れそうなくらいに心細く歯茎に突き刺さってる。


なんてこった。





目頭を押さえて、「疲れたぁ」とかも昔は、やってみたかった。



今では、白い紙が反射する光にすら、眼を攻撃される有様。



実際に、ピントフリーズ現象なんて何の話か分からなかったのに






まぁ、ぼやける。ぼやける。






子供の頃は「加齢臭ってなんだ?」って思ってたけど


今じゃ「これだよ」って嗅がせてあげられるようになった。




40歳がオジサンかどうかは置いておいて


オイラは特に「老い」の階段を誰よりも先に駆け上がってる気がする。




この場合は「転げ落ちる」か?




綾小路きみまろさんが


若い頃、財布の中身はポイントカードばかりで、


年を取ったら、財布の中身は領収書だらけになり、


高齢者となった今では、診察券ばかりだ。


と言う趣旨の漫談をしてて、おばあちゃん、おじいちゃんが



どうしたのか?ってくらい大声で笑ってるのをテレビで観たことあるが…





「上手いことを言うなぁ」と関心すらしてしまう。



自分の財布の中身を見て実感に変わったから。





そんな具合に、オジサンの理解できなかったことが数多く理解できるようになったが





中でも、今まで理解できなかった「夜の店での擬似恋愛」





今では痛いほど分かる。





早い話が「飲み屋のネエちゃんに貢ぐ心理」と言うヤツだ。





バブルの余韻がそれでもまだ残っていた当時、



立派なオジサンたちに、よく夜の店に連れて行ってもらっていた。




本当に楽しそうに笑っているオジサンたちや



一生懸命に口説いてるオジサンたちを見て




「この娘たちは、おカネが貰えるから愛嬌ふりまいてるだけなのに…」



と若かりし頃の浅はかなオイラは思っていたもんだった。






そして、オジサンの域に到達した今、この擬似恋愛が



とてもよく出来ていることに関心する。






分かってる。分かっちゃいるけど、





あのときめきをもう一度。



ってやつだ。





胸をギュッと掴まれるような切なさ。



何時間も何日も何ヶ月も掛けて味わってた緊張感や高揚感を



大人のオジサマたちは、バッ!と一日で買うわけだ。




上手く言えないが、ビックリマンシールの大人買いみたいな。




もう、バッ!と。





だから、大人であるオジサンは、身を滅ぼさない。



おカネによって結びついてるのを理解できてるから。




オジサンと言うか、そこは大人だなぁって思う。




今でこそ言えるんだが、本当にその都度、接客するホステスが


お客になびいていたら、この商売は成立しない。




接客する女性側が、ちゃんと断ってくれるから、



お父さんたちは夜の街へ繰り出せるのだ。





あの胸がキュンとなるような郷愁感。



「もしかしたら」と言う儚い期待感。



酒で酩酊した何とも言えない幸福感。




それらの気持ちを、ない交ぜにして、グイッと飲み干す。



大金を払って、「それではさようなら。明日から頑張ります」って具合。




オジサンになって、不毛な口説き文句の意義が分かったんだ。






宿泊ロケの夕食の席でスタッフにそんな話をしたからか、





それを聞いたスタッフは







ひとり、夜の街へ消えて行った。








オイラのヨタ話がその県の経済を刺激し、潤いを与えたと思うだけでも




喜ぶべきことさね。



※このブログは全てフィクションです。ブログの全文はホームテレビの審査を経て掲載されています。


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