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自然の営みを通して環境を守る人や団体を取材します

2011年7月放送の番組のご紹介

7月28日放送『環境にも体にもやさしい「空宙栽培」』

楽に楽しく農業を提案している広島市安佐南区の上野園芸を訪ねました。
ハウスの中へ入ってみると・・・トマトが宙に浮いていました!

上野園芸が開発したこの水耕栽培、空間に浮いている感じから、「空宙栽培」と呼んでいるそうで、このトマトは「空宙トマト」と名付けられました。

空宙栽培のメリットとしてまず挙げられるのが、地面から離れているので腰を曲げて作業しなくてよい、腰に負担のかからない楽な農業ということ。
定年退職後に農業をやりたいという方が最近増えていて、上野園芸には現在16人のメンバーが週に2日、交代でトマトの作業をしています。

今の時期は収穫のピークです。
普通のトマトの糖度が5~6度なのに比べ、空宙トマトは8度~9度の甘さ。

トマトは水不足の状態にして、ストレスを与えると甘くなるそうで、水の量を機械で一定管理する水耕栽培だから実現した甘さなのだそう。

また、暖かい空気は上に上がるという特性を生かしたこの栽培方法を取り入れたことで、冬場の暖房費が3分の1程度にまで減ったというエコな栽培。

この空宙栽培、広島信用金庫廿日市中央支店の屋上でも取り入れられています。

さらに、ここではペットボトルを使った稲作もおこなわれていて、同じビルに入る保育園の子どもたちも田植えや稲刈りに参加し、食育の場としても活用されています。

この稲作、1日に3回自動で給水されるので、水やりの手間もかかりません。

このペットボトルを使った栽培キットは販売もされていて、家庭のベランダでもできます。

さらに、来月にはこの栽培キットをリゾート地として有名なモルディブに送ることが決まっています。
大量に廃棄されるペットボトルを活用し、野菜を食べる習慣のない現地の子どもたちへの食育が目的です。

楽に楽しく農業できる空宙栽培、さらに海外での食育援助など、農産物を消費者に届けるだけでない、農業の新たな可能性が今後さらに期待できそうです。

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7月21日放送『世界自然遺産小笠原(2)「変わりゆく生態系」』

小笠原諸島は、島の誕生以来、一度も大陸とつながったことのない「海洋島」と呼ばれる島です。
4800万年の歴史の中で、人の手が入ってわずか180年で独自に築かれてきた生態系が大きく変わりつつあります。

父島周辺に見られる乾性低木林。この島の特徴的な植林は、人の開発が及ばなかった、本来の姿です。
農業には不向きな土地で、人間に利用されなかったため、本来の樹木が残っているそうです。

人が持ち込んで森の生態系を変えた植物の代表的なものとして、リュウキュウマツ、モクマオウの木があります。

これらは防風林や燃料として持ち込まれた木で、モクマオウの、葉のような茎が地面に積もると、他の植物が育たなくなってしまいます。

外来種による捕食も大きな問題です。
グリーンアノールは、蝶やトンボなど、小笠原固有の昆虫類を食べ次々と絶滅に追いやりました。

オオヒキガエルは害虫を食べてくれる一方で、固有の昆虫類の敵ともなったのです。

さらに、森の中を我が物顔で歩き回るノヤギの存在も大きな問題です。
野生化したヤギは、希少な植物を食べ、踏み荒らします。

固有植物の茂る固有林の周囲は、防御ネットで覆われ、食害や外来種の持ち込みを防いでいます。

ここで進化し、育まれてきた命を絶やさないために、自然遺産「小笠原」の責任は重いのです。

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7月14日放送『世界自然遺産小笠原(1)~ここにしかないもの』

世界自然遺産に登録された小笠原諸島を2回にわたってお送りします。

小笠原諸島は、本土からおよそ1000キロ。大小さまざま、30ほどの島々からなります。

島の周辺の海域へ出てみると、ミナミハンドウイルカの群れと出会いました。
ボートや人の近くに寄ってきては、優雅な泳ぎを披露してくれます。

続いて、父島の南西にある「南島」へ上陸。

この島は、石灰岩の浸食で出来たカルスト地形が地盤の変動によって海に沈みかけている「沈水カルスト」という、世界でも珍しい景観をもっています。

小笠原は、日本一のアオウミガメの産卵場所です。
日が完全に沈むと、お目当ての海岸を目指して次々とウミガメが上陸してきます。

メスのアオウミガメは数回に分けて卵を産みます。
1回の産卵で1頭が産むのはおよそ1000個。そのうち、孵化して大人へと成長するのは、1000個の卵のうちわずか5個ほどだそうです。

小笠原の島々は、誕生以来一度も大陸とつながったことがありません。
運よくここへたどり着いた生き物は長い年月をかけて、この島の環境に適した形へと独自に変化していきました。

特に植物に関しては、ここでは普通に見かけるものの多くが固有種、つまり小笠原でしか見られないものなのです。

ここにしかない固有の生き物や景観はまた、もろさと背中合わせです。

これらを守るためのルールづくりと、訪れる人の理解が、今後さらに求められます。

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7月7日放送『大林小 ホタルプロジェクト』

ホタルの育成に取り組む地域が増えていますが、今回ご紹介するのは広島市安佐北区の大林小学校で行われているホタルプロジェクトをご紹介します。

全校児童64人の大林小。プロジェクトの発起人は校長先生です。
学校にあるビオトープで育てています。

取り組みは、ホタルの採集から始まりました。去年の6月、3~4年生が中心になり、学校のすぐそばの小川に出かけ、ホタルを数十匹捕まえました。
ホタルは水槽に入れ、各学年で飼育し卵を産むのを待ちました。

世話をしてきた幼虫が暮らしやすい場所をこの春に作りました。
地域の人の協力で学校のビオトープを改修し、子どもたちも土の入れ替えを手伝いました。

こうした過程で、ホタルの餌となるカワニナがきれいな水で生きることを知り、環境についても学びました。
さらに、麦わらを使って、地域の人に昔ながらのホタルかご作りも教えてもらいました。

そして迎えた「ホタルの夕べ」。全校児童や卒業生、保護者など約200人が参加しました。
生徒たちのホタル飼育についての発表のあと、辺りが暗くなるまでの時間、オカリナ演奏を楽しみました。

あたりが暗くなってきた頃、いよいよホタル観察会。
ビオトープに放したホタルの幼虫は、果たして羽化しているでしょうか?

ビオトープには4~5匹ほどのホタルを見つけることができました。
自分たちで育てたホタルが成長した姿に、子どもたちもとても嬉しそう。

「子どもたちに、ホタルを通じて生き物に関心を持ってもらう、ホタルの育つ環境をいつまでも保つために自分たちに何ができるか考えてもらいたい」と校長先生。

地域の大切さや環境についても学ぶ大林小ホタルプロジェクト。ホタルの明かりは子どもたちの 希望の明かりになっていくのでしょうね。

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