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自然の営みを通して環境を守る人や団体を取材します

2009年9月放送の番組のご紹介

9月24日放送『ケニア報告(1)野生に戻れない動物たち』

東アフリカ・ケニア共和国。
独特のサバンナ気候を持ち、その広大な草原を舞台に日々、野生の営みが繰り返されます。
これら動物の生息地は人の住む地域とは明確に区分され、国立公園や保護区として国の機関であるケニア野生動物公社が管理しています。

野生動物を密猟から守り貴重な観光資源として保護することはこの国の、いわば『国策』なのです。


ケニア最大の都市・首都ナイロビ―
ここにケニア最初の国立公園―  
ナイロビ国立公園があります。
近代的なビル群を背景に、不思議な光景を作り出しています。

その公園のメインゲートをくぐったところにある小さな施設。
『動物養護施設』と呼ばれるこの場所は
密猟で親を殺されたり、自分ではエサを捕ることができなくなった動物たちが
保護・飼育されています。

日本で言えば、まさに『動物園』です。
ここに、青年海外協力隊の一員として働く日本人女性がいます。


日本の獣医師免許を持つ 古賀真由子さん―
ここでは、獣医師補助員・飼育管理員として活動しています。
『動物のお医者さんになる』という夢を叶え、日本以外の場所で動物と関わってみたいという願いを実現しました。

しかし赴任から半年間はなかなか受け入れてもらえない日々。
やっと任せられた動物は違法に飼われ、ストレスを溜め込んで凶暴になっていた
ブラックマンガベイというサルでした。

辛抱強く心のケアを重ねやっとこの場所で展示できるまでに回復しました。
このサルのようにここは何らかの問題を抱えた動物たちがやってくる場所。
いったん人の手で治療を受け、餌を与えられた動物は二度と元いた場所に戻ることはできないのです。
ではなぜ、この施設が存在するのでしょうか?

野生動物に対する国の手厚い保護は
一方で、ケニア人の大部分が『野生動物を見たことがない』という現実を生み出しました。
ここは『国をあげて守るべきものが何なのか』を市民に知ってもらうための入り口なのです。

古賀さんに案内された場所にいたのは赤ちゃんのチーター。密猟者に親を殺され、ここに保護されました。
彼らもまた、生涯この場所で自分たちの役割を果たしていくことになるのです。

『ここの動物を守るためにいろんな国からたくさんの人が来ていて国も保護や環境教育に努めているけどケニアの人がそれを意識できる場所は少ない。
ここがそういう場所であったらいいなと思います。』
―古賀さんはそう話します。

ほおっておけば絶滅に向かうしかない状況で、
野生動物と人の暮らしと隔離するのは仕方のない一面―
だからこそ知ってほしい『国の宝』の姿―
小さな施設が担う役割は、決して小さくはないのです。

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