広島ホームテレビ

Masakism~キキコミ主義~

今村猛という男

久々のブログ更新。
周りが「B」だ「C+」だと盛り上がっている中、
私のタイピングは上達の兆しさえ見えません・・・

さて、5月に入っても好調を維持している広島カープ。
そのおかげもあってか、私の担当する「勝ちグセ。サンデー『恋すぽ』」も絶好調です!!
中でもカープ、サンフレ選手のインタビューを中心に構成される特集は、番組の肝。
結果ばかりがクローズアップされるスポーツの世界で、
選手の声からそのプロセスに迫れるかは、インタビュアーの腕が試されます。

しかし番組の都合上、放送されなかったもの・・・
つまり「お蔵入り」したインタビューがあります。
その中の一つ、先日プロ初勝利も挙げた今村猛投手のインタビューは、
今シーズンの飛躍を感じさせるものでした。

開幕前、充実のキャンプを過ごした彼に、我々はインタビューを慣行。
ファンの方はすでにご存知だと思いますが、
飛躍の要因は「フォーム改造」と「緩急の使い方」。
これにより、彼は結果を残せる投手へと変貌したのです。
しかし、彼の能力を開花させたのは、それだけではありませんでした。
彼が身につけたもの・・・それは「自己表現力」です。

今でも記憶に残る、一昨年の沖縄キャンプでのある出来事。
09年のドラフト1位で入団した今村投手の一挙手一投足に、
ファンや報道陣が注目していました。
キャンプも中盤を迎え、今村投手が初めてプロの打者相手にフリー打撃に登板。
周囲が注目する中、登板後の感想を求められた彼は、少し間を置き、短い一言を発しました。
「何もありません。」
インタビュアーを務めた私を始め、多くの報道陣があっけにとられました。
感想を求められた煩わしさか、恥じらいか・・・この時は分かりませんでした。
今思えば、ルーキーとはいえ自分もプロ。
一度投げたくらいで特別な感想を持たないという、
彼のプロ意識の高さだったのかもしれません。

あれから一年、プロとして初めてのシーズンを過ごした今村投手の芯の強さは、
言葉として表現されるようになったのです。
「去年はマエケンさんが一人で頑張っていた。今年は少しでも助けたい。
そしていつかは越えたい。」
獅子奮迅の活躍で、エースへの階段を一気に駆け上がった前田健太投手。
その背中に対する強い憧れが、今村投手の成長を加速させたのです。

「前田健太投手を助けられる自信はありますか?」という問いに、
「ないです・・・」と、はにかみながら答えた今村投手。
リップサービスは決してしない。思うからこそ口にする。
彼の高い志が、これから何度もぶち当たる壁を乗り越える糧になるはずです。