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石田剛太



青年のタイトジーンズはいつも膨らんでいた。






「もうこんなに、たっちゃったね」
「え?」
「外、真っ暗だよ、九時過ぎだもん」
「ああ、そうだね」
 和成は露になった自分のだらしないペニスを見て、さとみには気付かれないように少し苦笑いした。
 さとみはすでに布団から起き上がり、何も身に纏わない裸身のまま窓の外を眺めていた。淡いピンクのきれいなさとみのお尻がいたずらにこちらを向いている。
窓の外に人はいないのか、さとみのふくよかな胸をこの旅館に泊まっている誰かに見られていないだろうか。それを想像すると和成のペニスは再びむくむくといきり立ってきた。
「もっかい入ってこようかな、温泉」
 さとみは振り返り和成を見た。すぐに和成の完全勃起したペニスを見とめ、いじわるそうに微笑みながら近付いてきた。
「さっき出したばっかりなのに、もうこんなにたっちゃってるね」
そういうと自分の顔をペニスに近づけていきなり口に含んだ。
「あうっ」
和成は、自分のいきり立った肉棒をくわえたさとみのいやらしい顔を見るのが好きだ。とてもそんなことをするようには見えない清楚で可憐な顔をしたさとみがいやらしくペニスを頬張る姿は、何かいけないことをさせているという背徳感から、和成をさらに欲情させるのだ。口の中で舌を使い亀頭を刺激してきた途端、和成は簡単に射精してしまった。さとみは上目使いで和成を見ると、丁寧にペニスを舐めながら精子を拭い取ってくれる。
「はやふぎだよ」
口に和成のそれを含んだままそういうと、さとみはいきなりキスをしてきた。
 口元から精液と二人の交じり合った唾液がだらしなく垂れ流れていく。
「布団がまた汚れちゃうなあ」
とてつもなくイヤらしいことをしながらも、和成はそんなことを思った。
 静岡の山間にある小さな温泉宿に、付き合って初めての旅行で二人は来ていた。
 和成は大学生で一人暮しをしているさとみの部屋に転り込み、毎日のようにお互い体を求め合っていた。しかし、旅先でのさとみは、いつも以上に大胆になっていた。
 さとみはまた温泉に入りに行き、部屋に一人取り残された和成は、先程までここで行われてたことを思い出していた。
 浴衣の帯は目隠しするのに調度良かった。さらにその余った長さは、そのまま両手を縛ることもできた。自由を失ったさとみの体はとても敏感になった。黒々と茂る陰毛から覗く土留色の割目はくっちょりと濡れていた。和成は興奮のあまり、自分の目も帯で縛った。何も見えない状態では何もできない。そんなばかげたこともやってしまった。それくらい和成はこの旅館でのさとみとのセックスに夢中になっていた。
 思い出すと和成の股間はまたむくむくと膨らみ始めた。
 時計は10時を指していた。さとみは温泉に入りに行ってまだ帰ってくる気配もない。
 和成は自分の熱った体を少し冷そうと散歩にいこうと思いたった。「すぐ戻るから」とだけ書き置きをして外に出た。
(こういうのを放置プレイというのかな)
和成は少しバカになっている。
外に出たものの、辺りは真っ暗で、外灯の他には何もなかった。
 20分ほど歩いた先にようやく灯りの付いた看板を見つけた。“バー魔の巣”と書かれたその店は、バーというよりも田舎の場末のスナックという雰囲気だった。
 中に入ると、薄暗いカウンターしかない店内に女性が一人座っていた。いかにもマスター然としたマスターが和成をその女性のすぐ隣の席へ座るように促した。
 居心地悪そうに立っている和成に、カウンターの女性が話し掛けてきた。
「ご旅行?」
「ああ、ええ」
「おひとり?」
「あっいや彼女と。いま、」
「うらやましい」
和成の言葉を聞き終る前にそういうと、女性は飲んでいた不思議な色のカクテルに口を付けた。
上下ともふくよかな分厚い唇があまりに艶かしくセクシーで、和成は見惚れてしまった
 歳は30歳前後だろうか。美しく整った顔立ちだが、唇の分厚さだけが均衡が取れてなく、それが幼く見せているのかもしれない。本当は40歳近いのかもしれない。艶やかで色っぽい大人の女性だった。「私の唇に何か付いてる?」
カクテルを持ったまま逆の手で唇を触って和成を見付めてきた。
「あ、いえ、すいません」
慌てて目線を落すと、むっちりとしたあみタイツの生めかしい脚が飛び込んできた。大きなあみ目だ。鰯くらいなら抜け出れそうな黒いあみタイツは脚全体を菱刑に張り巡らせていた。
「私の脚に何か付いてる?」
唇を触っていた指で、今度は自分のあみタイツを撫で上げながら爪引いていく。パチンパチンと音が鳴る。
(アルペジオだ)
そんなことを思っている場合ではない。何か答えなければ。
「わたし まり子。こんばんは」
和成が答える前に、そう言って優しく微笑んだ。“さっきまでの意地悪はごめんね”和成にはそんな風に見えた。
 まり子の大人の魅力的な美しさに、和成はおかしくなりそうだった。大きく膨れ上がった和成の股間は、きついタイトジーンズでさらに締め付けられていた。
「あああ、鈴木です」
「うふ、鈴木くんかあ、かわいい名前ね」
普段なら鈴木の何がかわいいんだと冷静に思えるはずなのに、いまは何も考えられない。
「鈴木さん、何にされます」
マスターが注文を聞いてくれた。
「あ、えっと、ビールで」
「うふ、かわいい」
ビールの何がかわいいんだなんてことも、もちろん思えない。もうガマンできなくなっている和成のパンツは、ガマン汁でグショグショに濡れ始めている。勢いよくまり子の隣に座りビールを一気に飲み干した。タイトジーンズは大きく左斜めにくっきりとペニスの跡が浮き上がっている。
「出してあげようか?」
「グフッ」
ビールを吐き出しそうになるのを堪えた。
「それを全部出して、ア・ゲ・る」
和成のペニスにはもはやはち切れんばかりの精液が溜まっている。
「そんなに一気に飲んじゃって、もういくの?おごってあげるから、ビール。もう少しだけいてよ」
 和成は処理が追いつけない。出してくれるのはビール代か。
 まり子はマスターに、もう今日は大丈夫よと言うと再び和成に向き直り笑顔で、
「私のお店なの、ここ」
と言った。続け様にまり子は少し甘えた声で、
「もう帰っちゃうの?」
と聞いてきた。マスターはすでに、店からいなくなっていた。
 まり子は和成の座っているイスを回して自分のほうに向けると、あみのふとももを和成の両足の間に入れてきた。まり子のあみの膝は和成の股間にしっかり押し付いている。
「彼女とは、旅先でどんなことしたの?」
「どんなことって、うぐっ」
「ぐちゃぬちゃちゃ、むちゅううう」
「ん、うぐっんぐぐ」
「すごいわ、鈴木くん、カチンカチンじゃない」
「ふぐっ、あ、そんな、あうっ」
「どうしてほしいの?」
「あああ、もっと、まり子さん、もっと」
「もっと何?」
「ああ、しごいて、しごいてください」
「何を?何をしごいてほしいの?」
「あ、あ、あそこです」
「あそこじゃわかんない。ちゃんと言って」
「おちんちんです」
「おちんちんを?おちんちんをどうしてほしいの?」
「しごいてほしい」
「それだけでいいの?」
「舐めて舐めてほしい」
「くちゅうくちゅじゅぼぼぼっ」
「まり子さん、僕、」
「だめ、私にも」
「まり子さんのおまんこ、すごく濡れています」
「ビールおごってあげたお礼、いっぱいして」
「いっぱい、いっぱい出してあげます。まり子さん」
「あたし、のおまんこ、どうなっちゃうかわかんない」
それは全て突然だった。
 あまりにも突然過ぎて筆者にも何が起ったのかわからなかった。会話のみになってしまったことを読者には謝っておきたい。
 和成は旅館に帰る夜道を歩きながら、まり子との行為を思い出していた。和成の金玉がびたーんびたーんと音を立ててまり子のクリトリスにあたっているとき、一番大きな声を出して感じていたなあ。旅館に辿りついたときにはすっかり和成のペニスは勃起していた。和成はもうジーンズのチャックを開いたままだ。
 旅館のロビーに入ると、はたしてそこにはさとみがいた。
さとみは和成の知らない男性からバックで突かれながら、机に手をついて、旅館全体に響き渡るような大きなあえぎ声を出している。
男が体位を変えようとさとみを振り向かけたとき、さとみは和成を見つめた。
さとみは和成を見つめて、いたずらにニコッと笑った。

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